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少し※
「は…ふ、んっ、んっ……」
どれくらい経っただろうか。
息苦しさでぼぅ、としてきたA。
それに気付いたのか煉獄の唇が離れた。二人の間は銀の糸で繋がっており、それを指で絡めとった煉獄はそのままAの口内へその指を押し込む。
「んぐっ!?」
「舐めろ」
これ以上煉獄を怒らせたくないAは、従順にAの指を舐める。
指を引き抜いた煉獄は楽しそうに笑った。
「では次の仕置きだ。君の体に俺のものだという証を刻まねばな」
「えっ……」
てっきり今の口付けで機嫌を直してくれたと思った。
しかし煉獄の瞳からは未だに怒りは消えていない。
「いっ、ぁっ…!」
「うむ、君の白い肌には赤い華がよく似合う!」
首筋に赤く咲いた華を見やると、煉獄は満足げに笑った。
再び首筋に顔を埋め、いくつもいくつも赤い華を咲かせていく。
何とか煉獄の腕から抜け出そうとして足を動かすが、着なれない着物のせいもあって動きにくい。足は布団を蹴るばかりである。
「大人しくしていろ」
「あ……!」
着物を左右に割られる。
辛うじて胸は見えないが、煉獄が胸の辺りに顔を埋めて跡を付けているのを見ると恥ずかしくて泣きそうになった。
あの優しかった煉獄が。
いつもどろどろに甘やかしてくれる煉獄がこんな問答無用の行動に出るなんて。
恐怖と混乱でAの目には涙が浮かんだ。
「きょう、寿郎さ…もう、許して…機嫌を直して、ください…!」
涙声で懇願すれば煉獄の動きがピタリと止まる。
ふぅ…と大きな溜め息が聞こえて着物を直された。
「…何故俺が怒っているか、わかるか?」
「…っ、杏寿郎さんに、何も告げずに…遊郭に、来たから…」
「半分正解だ。ここは男女が夢を見る場所。君のような男を知らない者が足を踏み入れて…体を汚されたらどうするっ…!」
「…で、ですが…通いつめないと、触れることはできないと……」
「ほう?なら何故この部屋にこうして布団が敷いてあるのだ?俺は現に君を押し倒し、体に触れているぞ?これが他の客だったら……どうするつもりだ?」
「っ、」
「そんな色めかしい着物と化粧をして…他の男に寄り添うなど絶対に許さん!君は俺の、俺だけの恋人なのだぞ?手をつけられるなど冗談ではない!もっと警戒しろ、この世は紳士な男の方が少ないのだぞ!」
「……うぅ…す、みません…」
シュンとして小さな声で謝ったAを、煉獄は優しく抱き上げて膝の上に座らせた。
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紫音(プロフ) - gn001yukaringoさん» コメントありがとうございます!宇随さんのシーン、楽しんでいただけて良かったです(^-^)書く方も楽しかったですよ〜!雨宮さんは、ヒロインを溺愛してるのでこんな呼吸も生み出しています笑 (2021年9月4日 9時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - Topaz トパーズさん» おはようございます!コメントありがとうございます(^-^)ありがとうございます!宇随さんがボコられるシーン、楽しんでいただけたら幸いです(笑)これからもよろしくお願いします! (2021年9月4日 9時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
gn001yukaringo(プロフ) - 宇髄さん討伐編、お腹抱えて笑いました(笑)雨宮さんの呼吸がお茶目すぎますね(笑) (2021年8月31日 19時) (レス) id: be3c286e2c (このIDを非表示/違反報告)
Topaz トパーズ - 初コメ失礼いたします!この作品最初っから読みましたけど物凄く素敵な作品です!私的には今後の展開である煉獄さんと月柱さん(元)←名前忘れましたすみません が宇随さんをボコす場面を楽しみにしてます(笑)須磨ちゃん達に生暖かい目を向けられそうだな宇随さん (2021年8月28日 5時) (レス) id: 09b28cb614 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - gn001yukaringoさん» 煉獄さんは、玖ノ型ちゃんと使えますからね!宇随さんはどうなってしまうのやら…… (2021年8月26日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫音 | 作成日時:2021年8月11日 13時