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「…ご実家に、戻られるのですか?」
「いや、月柱邸に行く!君もおいで」
その言葉にAは目をパチパチさせた。
「退院したら君の師範に挨拶をする約束をした!早急に君との仲を認めて貰わねばな」
「……師範は、弟子の色恋沙汰には口出ししないと思いますが…」
「口は出なくても包丁は飛んで来るだろう?」
「………」
否めない。
Aが微妙な顔をしていれば煉獄がそっと手を握った。
「俺は何を言われようと君を手離す気はないが…筋は通すべきだろう?それに…」
煉獄は立ち止まるとそっとAの耳元で囁いた。
「これからは任務以外でも泊まりになることも増えるだろう…?ならきちんと話をしておかねばな」
泊まりになる。
それは即ち、煉獄と夜を共に過ごすということで…
その意味を知らない程子供ではない。
「っ…!…こんな、道の真ん中でっ…」
「ふ、可愛いな。だが本気だぞ?君の身も心も全て、余すところなく早く俺のものにしたい。…俺は好いた女の前では余裕がないんだ」
「…煉獄、さ…」
Aを見つめる目には熱が宿っていて。
その目に見つめられるとAの思考は働かなくなってしまう。
「今はまだ抑えているからな。いずれは…覚悟しろ」
「…………はい」
蚊の鳴くような声で答えたAの腰に手を回し、体を密着させると煉獄は機嫌良く歩きだした。
「お邪魔する、雨宮殿!」
「来やがったか炎柱!」
なんだこの二人。
煉獄の大声に大声で返す雨宮をAは一歩後ろで無表情に眺めた。
「おう、A。いたのか。おかえり」
「…ただいま戻りました」
「さっそくでわりーけど木刀二本持ってきてくんね?庭で待ってるから」
「………あの、一応聞きますが…何で…」
「軟弱な男に娘はやらん!俺と手合わせだ炎柱!」
「承知した!」
「…誰が娘だ誰が」
あーだから煉獄さん任務無いのに隊服だったんだーとか思いながらAは倉庫に向かった。
木刀を持って庭で向かい合う二人。
「怪我の後遺症があるとか病み上がりって言い訳は無しだ。わかってるな」
「無論です!そのような情けない言い訳、Aに幻滅されてしまう」
「ふん。わかってるじゃねーか!」
二人が同時に地面を蹴る。
「月の呼吸 壱ノ型 月華ノ舞」
「炎の呼吸 壱ノ型 不知火」
庭が激しい音に包まれる。
雨宮を炎が襲い飲み込み、その炎を鋭い斬撃が切り裂く。
Aはその勝負の行方を固唾を飲んで見守った。
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紫音(プロフ) - gn001yukaringoさん» コメントありがとうございます!宇随さんのシーン、楽しんでいただけて良かったです(^-^)書く方も楽しかったですよ〜!雨宮さんは、ヒロインを溺愛してるのでこんな呼吸も生み出しています笑 (2021年9月4日 9時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - Topaz トパーズさん» おはようございます!コメントありがとうございます(^-^)ありがとうございます!宇随さんがボコられるシーン、楽しんでいただけたら幸いです(笑)これからもよろしくお願いします! (2021年9月4日 9時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
gn001yukaringo(プロフ) - 宇髄さん討伐編、お腹抱えて笑いました(笑)雨宮さんの呼吸がお茶目すぎますね(笑) (2021年8月31日 19時) (レス) id: be3c286e2c (このIDを非表示/違反報告)
Topaz トパーズ - 初コメ失礼いたします!この作品最初っから読みましたけど物凄く素敵な作品です!私的には今後の展開である煉獄さんと月柱さん(元)←名前忘れましたすみません が宇随さんをボコす場面を楽しみにしてます(笑)須磨ちゃん達に生暖かい目を向けられそうだな宇随さん (2021年8月28日 5時) (レス) id: 09b28cb614 (このIDを非表示/違反報告)
紫音(プロフ) - gn001yukaringoさん» 煉獄さんは、玖ノ型ちゃんと使えますからね!宇随さんはどうなってしまうのやら…… (2021年8月26日 16時) (レス) id: 9d2f0b0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫音 | 作成日時:2021年8月11日 13時