7 ページ8
私が欲しいのは、愛情を注げる器。
受け止め、満たされてくれる器が欲しいの。
少し卑怯だけれど。こうでもしないと二人は無理そう。
そこで、私は人差し指をぴっと立て、言った。
『貴方達のお姉さんの、治療費で4000万、今日までの維持費で、ざっと9650万。合計、13650万。そして、1日につき、維持費は、ま、50万としておこうか。これで何を言っているかは察しがつくかしら。』
そう言うと、目を見開く黒髪の子。
お金が、必要よ。
『それを最も、いい方法で返させて上げる。』
黒髪の子「金なら、ある。それで…!」
お金。それがあれば何でも出来る…?違う。
人の根本的な気持ちは変わらない。
続けようとする、黒髪の子の唇に人差し指を当て、言う。
『私は、お金なら腐る程持ってるの。それに、裏の方法で手に入れたお金は要らない。』
そう言うと、瞳孔を揺らす黒髪の子。
そうだよね、学生がこんなにお金持ってるなんて裏でなんかやったか、身体売るくらいしか無いもんね。
君は、綺麗そうだから裏金でしょ。
『私の、条件を飲んで…?』
そう言うと、二人は緊張した面持ちで頷いた。
それを見ると、一気に緊張が抜けた。
きゅ、と、口角を上げ、微笑むと二人の頬が、赤く染まる。
『それじゃぁ、君達、名前は?』
コ「九井 一だ。ココって呼んでくれ。返済までよろしく頼む。」 (九井 一=コ)
ここのい…、珍しい名字。それにお前、返済ってとこ、力入れて呼んだよな。でも、まぁ、そうだよね。
イ「乾 青宗。宜しくな。」 (乾 青宗=イ)
『うん、宜しくねぇ、二人共。』
えっと、ココと、乾くん?
『乾くんは、呼んで欲しい名前とかある?』
イ「イヌピー。」
『おっけ、イヌピー、ね。じゃ、宜しく。イヌピーとココ。』
自己紹介を終え、すっかり空気と化して居る、大樹と優に話しかける。
『うん、えと、ね。そういう事。』
「どういう事。喧嘩するなら裏でやって。」
流石優!返しが早い!私が次に何をしようとしてるか、良くわかったな!!
『うん、とゆことで、裏行こっか。喧嘩しよ。腕試し腕試し。』
「どういうことだよ…。気の毒だな、二人共。コイツ、めっちゃ強いよ。」
『も〜、優ちゃんたら〜。そんな褒めても何も出ないぞ〜?』
「きっしょソウダネ」
裏庭に着いた。
12人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:てんごく | 作成日時:2023年11月20日 16時