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私が欲しいのは、愛情を注げる器。









受け止め、満たされてくれる器が欲しいの。







少し卑怯だけれど。こうでもしないと二人は無理そう。


そこで、私は人差し指をぴっと立て、言った。






『貴方達のお姉さんの、治療費で4000万、今日までの維持費で、ざっと9650万。合計、13650万。そして、1日につき、維持費は、ま、50万としておこうか。これで何を言っているかは察しがつくかしら。』



そう言うと、目を見開く黒髪の子。




お金が、必要よ。





『それを最も、いい方法で返させて上げる。』





黒髪の子「金なら、ある。それで…!」




お金。それがあれば何でも出来る…?違う。





人の根本的な気持ちは変わらない。




続けようとする、黒髪の子の唇に人差し指を当て、言う。





『私は、お金なら腐る程持ってるの。それに、裏の方法で手に入れたお金は要らない。』


そう言うと、瞳孔を揺らす黒髪の子。



そうだよね、学生がこんなにお金持ってるなんて裏でなんかやったか、身体売るくらいしか無いもんね。





君は、綺麗そうだから裏金でしょ。





『私の、条件を飲んで…?』





そう言うと、二人は緊張した面持ちで頷いた。






それを見ると、一気に緊張が抜けた。





きゅ、と、口角を上げ、微笑むと二人の頬が、赤く染まる。





『それじゃぁ、君達、名前は?』






コ「九井 一だ。ココって呼んでくれ。返済までよろしく頼む。」 (九井 一=コ)



ここのい…、珍しい名字。それにお前、返済ってとこ、力入れて呼んだよな。でも、まぁ、そうだよね。





イ「乾 青宗。宜しくな。」 (乾 青宗=イ)



『うん、宜しくねぇ、二人共。』


えっと、ココと、乾くん?



『乾くんは、呼んで欲しい名前とかある?』




イ「イヌピー。」




『おっけ、イヌピー、ね。じゃ、宜しく。イヌピーとココ。』




自己紹介を終え、すっかり空気と化して居る、大樹と優に話しかける。





『うん、えと、ね。そういう事。』






「どういう事。喧嘩するなら裏でやって。」




流石優!返しが早い!私が次に何をしようとしてるか、良くわかったな!!




『うん、とゆことで、裏行こっか。喧嘩しよ。腕試し腕試し。』




どういうことだよ…。気の毒だな、二人共。コイツ、めっちゃ強いよ。」





『も〜、優ちゃんたら〜。そんな褒めても何も出ないぞ〜?』



きっしょソウダネ」




裏庭に着いた。

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作者名:てんごく | 作成日時:2023年11月20日 16時

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