夜兎の女がコナンの世界へ！なんてふざけてんのかぁぁぁあ！！！

5話，気づいたけど気づかない ページ6

貴方side






『ふぅ、お腹満たされてはないけど窮地は脱したよ。美味しかったー。ホントに皆んなに食べさせてあげたい。』

あの抗争は一体どうなったんだろう。

『ん？』

『か…傘が！弾が入ってない！！！』

やばい…。弾はもう持っていない。
遠距離攻撃出来ないじゃん。
まぁ最終近接が得意だし。というか、ここには幕府も攘夷志士もいない。天人も。
正直戦う必要ねーな、うん。

はやくかえらなきゃ。
きっと皆んな心配してる。
いや、あいつらのことだからわかんないか。

『つか、どーしよー。家ねーしなー。金も勿論ないし。野宿かこれは。私はマダオか。』

ダンボールハウスを公園に組み立てながらぶつぶつ文句を言う。

そこでとあるものに気づいた。

『なんだこりは。』

袖の所に小さな物体がくっ付いている。
実の所これは盗聴器なのだがそんなものAは知らない。

『ちっちゃー！白ぉー！かわいいー！なにこれー！』←

周りには誰もいない。

今は夜だが昼間は日光がある。

早いうち屋根のある家を見つけないと。

というかその前に餓死する。

風呂入りたい。

私だって女だぞ？

『忌まわしいこの血…。出来ることなら全て抜き去りたい。政府のクソどもがビビりやがったせいでたくさん仲間が死んだっていうのに。はやく帰って皆んなと一緒に闘わなくちゃいけないのに。

…親父達が愛したこの国を今度は私が命にかえても守らなくちゃいけないのに。

私はどうして、こんな所にいるんだよ…。』

名前を呼んでほしい。

笑ってほしい。

抱きしめてほしい。

親父。お袋。

『親父…お袋…ヅラ…エリー…銀さん…神楽…眼鏡………』

いつのまにか声を出して泣いてしまった。

みんなの名前を次々にこぼして。

しばらく泣いてなかったのに。
．．．
親父達を殺したあの日以来泣いてなかったのに。

『夜兎がなんだよ…』

白い物体に向かって色々話してしまった。

『聞いてくれてありがとな。』

絶対に話してはいけない物体なんだけど。

6話，え、恐怖。→←4話，高給取りめ

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