や さ し く し て ね ？【佐野玲於】

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貴方side









『玲於くん、半分こしよ』









と、ほかほかの焼き芋の半分を玲於くんに差し出す









よく良く考えれば、この後晩ご飯もあるし、
やっぱり1個は食べれないなって思って









玲於「え、いいよ。Aが食べたくて買ったんでしょ」









『うん…けど、やっぱりご飯入らなくなるかなあ、と』









玲於「なんだよそれ笑…じゃあ、もらう」









玲於くんは笑って半分の焼き芋
を受け取ってくれた









2人で並んで半分この焼き芋を食べる









『ん、美味しい！』









玲於「……ふはっ」









すると、急に笑いだした玲於くん









私がえ、なになに？って不思議そうな顔を
していたのか、すぐにこっち向いて
「すげえ美味そうに食うね」って









『え、どんな？』









玲於「へらぁって笑ってさ、幸せそうな顔すんの。いつもそうだよね」









と、玲於くんはその言葉通り
へらぁって笑ってみせた









ええ……、私そんな顔しながら食べてるの？









全然自覚ないなあ…









『本当にそんな顔してる？』









玲於「本当本当。へらぁって」









そう言いながら何度もふざけて
そのへらぁって顔をする玲於くん









『ふふっ』









完全に私を馬鹿にしてるのは分かってるけど、
なんだか面白くて思わず笑っちゃった









玲於「何笑ってんだよ。本当だよ？本当にこんな顔してるよ」









……でも、私、ひとつ思ったことがあるの









『ふふ、……あのね、玲於くんもそうだよ』









私の言葉に玲於くんが驚いた顔をした









玲於「え？」









玲於くんもね、ご飯食べる時美味しそうに微笑むの









幸せそうに目を細めてさ、多分無意識でしてるんだろ
うなあって思ってたけど、そうだったみたい









玲於「…絶対嘘だ」









『本当だよ！私、いつも可愛いなあって思ってるもん』









玲於「は、そんなん俺だって思ってるし」









『……えっ』









玲於「あ…いや、違う。そんないつもじゃないし……」









とか言いながら耳が赤くなってる玲於くん









ツンデレ玲於くんのデレが垣間見えた日でした

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