花柱は1人の少年に振り回されている【鬼滅の刃】

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しのぶ「カナエ姉さんは君のように優しく鬼に同情している人なんです

昨日カナエ姉さんから聞いたと思いますが

私はあの当時A姉さん……いえ、Aさんを目の敵にしていました

カナエ姉さんに認められた彼女が羨ましくて

カナエ姉さんの隣にいる権利を得た彼女が妬ましく

ただの己の醜い嫉妬だと分かっていながらも

二人を見てるとどうしても黒い感情を抑えきれなかった

Aさんはそんな私の気持ちを分かっていたのか

私がどんなに酷いことを言っても何も返してこなかったんです

ただ笑って頷きながら私の言葉を聞いてくれてました」



炭治郎「……」



しのぶ「姉さん達は上弦の弐と戦闘し姉さんは重症、Aさんも負傷してました

姉さんが五日間も眠り続けていたとき

私は放心状態でした。そんな私に優しい言葉を彼女は掛けてくれたんです」





しのぶ『姉さん……』



A『……大丈夫、大丈夫だから

師範は必ず起きるよ

それでいつもの笑顔で私たちの名前を呼んでくれるから』



眠っているカナエを前に泣いているしのぶをAは抱きしめる



A『……ごめんなさい、胡蝶さん

私がもっと強かったら師範の腕が無くなることも眠り続けることもなかった

貴女の言う通り私には師範の隣に立っていい資格なんてない』



しのぶ『何を言っているんですか！！

貴女が居なかったら姉さんはきっと鬼に殺されてた

貴女は私の姉を救ってくれた、助けてくれた恩人です

それなのに私は今まで貴女に酷い態度をとってきました

謝らなければいけないのは私の方です！！』



A『……ありがとう、胡蝶さん』



泣きじゃくるしのぶを強く強く抱きしめる



A『……絶対に師範の仇は取るから。上弦の弐は私が必ず殺す』



しのぶ『Aさん……』





しのぶ「あの人は優しすぎるんです

今も姉さんの身体がああなったのは自分のせいだと責めています

彼女が自分の噂に何も言わないのは彼女自身がそう思っているから

私たち柱は全員彼女が最弱だなんて思ってません

それなのに彼女は全部自分のせいにして抱え込む

姉さんの鬼と仲良くする夢も無理して成し遂げようとしている

本当は誰よりも鬼を憎んでいるのに

だから……だから、私も継がなければと思ったんです

たとえ鬼が許せなくても、憎くても

黒い感情が私の中に蓄積され続けて膨らんでいっても

姉が好きだと言ってくれた笑顔を絶やすことなく」



炭治郎「しのぶさん……」

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