第百十ニ話_子供のような口論 ページ32
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太宰「全く…ここ数年で最低の一日だよ」
中也「何で俺がこんな奴と…」
A「私を間に挟んで云うの辞めて」
ブツブツとAを間にして文句を云い合う太宰と中也
仲が悪いのは相変わらずのようで
中也「おい太宰、『ペトリュス』って知ってるか」
太宰「目玉が飛び出るほど高価い葡萄酒」
A「中也ってお酒強いの?」
確か、其のお酒はアルコール度数も結構高かったよね
太宰「中也は大して飲めないくせに酒にはうるさいんだよ」
中也「手前ぇ!!」
A「へぇ〜」
中也お酒弱いんだ、意外だな
中也「太宰が組織から消えた夜
俺はあれの八十九年ものを開けて祝った
それくらい手前にうんざりしてたんだ」
太宰「それはおめでとう
そう云えば私もあの日Aに手伝ってもらいながら
中也の車に爆弾を仕掛けたなぁ」
中也「あれ手前かっ!しかもAに何て事させてんだ!!」
A「え、あれ中也の車だったの?」
当時は追手の車だからと云っていたから手伝ったのに、其れが嘘でまんまと太宰の悪巧みの手伝いをしてしまっていたことをAは四年後しに明かされた
昔の事だからといっても太宰の嘘に気付けなかったなんて……とAは心中で悔しがりながら階段を降る
中也「ああ、気に食わねぇ。太宰の顔も、態度も服も、全部だ
Aもコイツに愛想が尽きたら何時でも俺の処に来いよ」
太宰「私も中也の全部が嫌いだね。後Aが私に愛想を尽かすなんて事あるわけないだろ」
A「そうだね、其の時は真っ先に中也に連絡するよ」
太宰「え?」
真逆の言葉に太宰は「嘘でしょ?」と云う
それを聞いた中也は鼻で笑い、それを見た太宰はイラッとし……
太宰「………ま、強いて好きな処を云うなら中也の靴選びの
中也「あ……?そうか?」
まんまと騙された中也は太宰の言葉を真に受け自分の靴を見るが
案の定太宰が「うん、勿論嘘。靴も最低だよ」と云う
それに中也は「手ッ前ェ!」と激怒し太宰に向かって蹴るが彼は綺麗に避ける
太宰「無駄だよ。君の攻撃は間合いも呼吸も把握済みだ」
中也「加減したんだよ。本気なら頭蓋骨が砕けてたぜ」
そのやり取りにAは懐かしいなと思った
芥川と組むときに最初に太宰から教わったのが「手筋も間合いも動きの癖も、全部把握するんだ。じゃなきゃ相棒は務まらないと思いなさい」だった
だから、まぁ、私も芥川のことなら全て把握済みなのだ
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みゆき(プロフ) - 布団になりたいさん» いえいえ!全然大丈夫ですよ!!こちらこそありがとうございます!!☺️☺️ (7月9日 10時) (レス) id: 475a141bfc (このIDを非表示/違反報告)
布団になりたい - 良かったあぁぁあ…すみません!!急かすようなことを言ってしまいました…、ゆっくり!気長に待ってるので!!応援してます!😻 (7月8日 8時) (レス) id: 2f59deb4b8 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 布団になりたいさん» あります!!この後のお話もちゃんと考えてありますので!!もう少々お待ち下さい!!🙇💦💦 (7月7日 22時) (レス) id: 475a141bfc (このIDを非表示/違反報告)
布団になりたい - えっ、これ終わっちゃったんですか…??続きありますか…? (7月6日 20時) (レス) @page49 id: 2f59deb4b8 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 灯花さん» ありがとうございます!!もう少々お待ち下さい!!🙇💦💦 (6月16日 22時) (レス) id: 475a141bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゆき | 作成日時:2022年5月1日 21時