光を求める少女の話 【文スト】【太宰治】【３】

第百八話＿沈黙の塔、鴉の宴 ページ28

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太宰「はぁ〜〜〜、遣る気出ない」



だら〜とソファに寝転び、だらけた声を出す太宰



国木田「朝から壊れた喇叭(ラッパ)のような声を出すな太宰」



太宰「私は今ねぇ、誰かと対話する気力もないのだよ。国……なんとか君」



国木田「不燃ゴミの日に出すぞ、貴様」



太宰「あぁ……食事も面倒臭い

呼吸でお腹が膨れたらいいのに……

A〜、これ剥いて食べさせて〜」



A「しょうがないなぁ」



国木田「A、甘やかすな。バナナの皮剥きすら面倒なら餓死してしまえ」



太宰「A〜、牛乳も飲まさして〜」



A「善いけど、その体勢で飲むと大惨事になるよ」



あまりのだらけっぷりに国木田は太宰に向かって怒鳴る
そして同時にいつも以上に太宰に甘いAに疑問をぶつけた



其の疑問にAは「私はいつも通りだよ？」と云い
太宰の此のだらけっぷりの原因は福沢に次の仕事を与えられたから、らしい



国木田「昨日社長と敦が豪く話し込んでいたが……その件か？」



福沢「そうだ」



福沢の登場に国木田が背筋を伸ばす



福沢「太宰、マフィアの首領と密会の場を持つ件は進んだか」



太宰「手は打っていますが……」



福沢「マフィアの首領は来ると思うか」



太宰「来るでしょう。社長を殺す絶好の好機ですから」



福沢「構成員同士で延々血を流し合うよりは善い」



そう云い、福沢は去って行った
最後まで話についていけなかった国木田は太宰に説明を求む



国木田「マフィアの首領と……密会だと？」



太宰「そうだよ、敦君の着想から豪く大事になったものだよ。幾ら組合が最大の脅威になったとは云え……」



国木田「待て待て待て！何が何やら……第一何故お前が密会の手筈を整えている？」



太宰「元マフィアだから」



衝撃の言葉に国木田の頭は真っ白になる
追い討ちを掛けるように太宰は「ちなみにAも私と同じ元マフィアだよ」と云うと国木田はとうとう倒れてしまった



A「国木田にだけ伝えてなかったのね……」



倒れた国木田と大笑いする太宰を見ながら
Aは呆れながら呟くのだった



そして去った福沢は一人考えていた



福沢「貴女が生前だったらこうなる前になんとかなっていたのだろう」



いつものように面白がりながら笑うのか
それとも退屈な顔をするのか



福沢「貴女なら前者でしょうね」



組合という組織に興味を持ち、一人で戦い、勝つのでしょう
悪魔という名が相応しいあの狂喜な笑みを浮かべて

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