光を求める少女の話 【文スト】【黒の時代】【太宰治】

第三十九話＿噂 ページ1

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森「太宰くん、君は最近騒がれている二人組の話を知っているかい？」


ポート・マフィアの首領、森鴎外が目の前にいる一人の少年にそう話しかける


太宰「知ってるよ、其れがどうかしたの？」


少年＿＿太宰治はポートマフィア五大幹部の一人である


彼の頭や身体には常に包帯が巻かれてあるのが特徴だ


森「其の二人組に中也君が殺れてしまってね」


太宰「＿＿＿＿は？」


笑顔でそう発言した森に太宰は数秒間を空けて答えた


つまらなそうな顔が一瞬にして驚いた顔になる


太宰「ちょっと待って森さん

別に中也が死んだところでこっちに損害なんてないし

むしろ殺してくれてありがとうと直々に感謝を述べたいくらいだけど

………あの中也がそう簡単に殺られるとは考えられない」


森「と云われてもねぇ、実際に中也君は今瀕死の状態だ

右肩に左足、更には脇腹に弾丸を食らっている

あと少しでも見つけるのが遅かったら彼は確実に死んでいたよ」


太宰「………」


中也には弾丸なんて効かないはず
それなのに中也をそこまで追い詰められる実力を持っている
敵の異能力が中也の異能力より上だったのか？


太宰「＿＿＿面白い」


太宰はニヤリと妖しげに微笑む


森「太宰くん、君にその二人組の始末を頼みたい」


太宰「いいよ、中也を倒すほどの相手だし。少しは楽しませてくれるよね」


森「嗚呼、でも始末するのは片方だけでいいからね」


太宰「どういうこと？」


森「彼女はマフィアに入れる。だからこの子だけは生け捕りでお願いね」


森は一枚の写真を太宰に見せる
太宰はその写真を貰い、その少女の姿を確認する


漆黒の髪に真っ赤な瞳
少女の前には中原中也が倒れており
彼女が中也を襲った張本人で
此方に向かって視線を向けていた


まるで自分が見られているのを判っているかのように


太宰は少女の姿を見てまたニヤリと妖しげに微笑んだ

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