第五十九話_"名前" ページ21
.
安吾「Aさんは自分の名前がどういう漢字か分かりますか?」
A「………」フルフル
ショルダーバッグに本を仕舞いながら首を横に振る
太宰「じゃあ、この機会に教えようか」
太宰は紙と万年筆を取り出し、スラスラと書いて紙をAに渡す
紙には綺麗な字で『里見A』と書いてあった
太宰「此れが君の名前だ」
A「…………」
太宰「君はきっと色んな感情を込められて名前を呼ばれてたと思う
例えば、憎悪。例えば、怨嗟。例えば、殺意
そんな感情を込めて呼ばれる名前は
A「…………」
太宰「けどね、君の名前はそんな感情で呼ばれるためにある訳じゃない
もし君が悲しみで心を痛めたり、涙がこぼれても
絶望の淵に立たされ、何を信じたらいいか分からなくなってしまっても
____"私たち"がいる」
A「………!」
太宰「私たちが君の名前を呼ぶよ、何度でも
其れに私も織田作も安吾も負の感情で君の名前を呼んだことなんて一度もない
君は私たちにとって特別で大切な子なんだ
だから、私たちが君の名前を呼ぶときは"愛情"込めて呼ぶんだよ
___Aって」
A「(愛情………)」
姉は必要最低限でしか私のことを名前で呼んでこなかった
だから名前なんて自分には価値のない物だと思った
寧ろ、どうしてそんなに名前で呼んでくるのか不思議だった
でも他の人たちと比べると三人には"決定的"な違いがあった
三人に名前で呼ばれると
ギュッて胸がなった、でもそれは今まで感じた"痛い"とも"苦しい"とも違った
そのギュッが心地良かった
___私は"嬉しかったんた"、三人に名前で呼んでもらえることが
必要最低限でも無ければ、姉のように嫌悪の声で憎悪の瞳で向けられながら呼ばれなかったことに
A「………ぁっ、………ッ………、、、ッ!!」
太宰「……A?」
織田「?」
安吾「何処か痛いんですか!?」
急にAが声にならない声を上げ、太宰と織田は不思議がり安吾は身体に異常が起きたのかと焦っていた
太宰「A?大丈夫かい?何なら今から首領の処に行くかい?」
太宰も安吾の焦りが移ったのか、Aに質問責めするがAは答えない
519人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みゆき(プロフ) - ショタ作さん» ありがとうございます!黒の時代の中で絶対に書きたかったお話の一つなので皆様の印象に強く残ってくれて嬉しいです😆😆 (1月8日 8時) (レス) id: 475a141bfc (このIDを非表示/違反報告)
ショタ作 - このお話めっちゃ大好きです!特にのどかさんと同じで私達が君の名前を呼ぶよって所が印象的でした。これからも頑張ってください。 (1月8日 1時) (レス) id: 916af5240f (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 明日羽さん» 本当にすみません。またやらかしていましたか😭😭😭すぐに直させていただきます!! (2022年9月18日 22時) (レス) id: 475a141bfc (このIDを非表示/違反報告)
明日羽 - 「第八十四話_彼が友達だから」に主人公の名前がくるであろう場所につぼみという名前(?)があるんですが誤字じゃないですか?間違っていたらすみません<(_ _)> (2022年9月18日 21時) (レス) @page47 id: 60a89d6d9f (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - のどかさん» そう!そうなんです!実はこの黒の時代を読み終わった後にアニメのエンディングを聞いてもらうと4年後の里見ちゃんの心境が語られているようにしたかったんです!!二重の意味で泣かせにいく構想になっているんです!! (2022年8月7日 16時) (レス) id: 475a141bfc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みゆき | 作成日時:2021年1月30日 23時