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「 …… ！ 」
数分間並んでいるお客さんをレジから覗いてみればものすごいイケメンが 。
「 …… 、こッ 、こちらへ 、 」
何緊張してんねん 、きしょいやんけおれ 、 高い背丈に大人びているお客さんには似合わないかごの中身 。
メロンパンにミルクティー 、 …… 可愛い好みなんやな 、 なんてつい頬が緩む 。
あかん 、心奪われるってこういうことなんか 、
「 …… あ 、っと 230円になります 、 」
らしくないぞしっかりしろや自分 ッッ ！！！
黒色のレザー生地のような長財布から細く長い指でレジ台へ乗っかったのは250円 。
20円 、 返さなあかん 、どうしよう 。
……… 少しくらいなら 、 触っても 、ええよね 、？
「 …… 250円お預かりします 、 」
アカンきた 、どうしよ 、 震える手にそれを誤魔化そうとする顔 、 きっと今頃おれの表情やばいんやろうな
「 …… 20円のお釣りです 、 」
笑えてるんやろか 、表情筋がいつもより思い気がするのはきっと気のせい 。
勇気がなくて触ることの出来なかった手だけど 、 また来てくれるやんな 、 ？
「 …… おにいサン ッ 、 」
えッ 、ちょ 、はッ ！？ …… おにいさん ？おれのことであってるん ？
完全的に目が合う 。こんなに目を合わせてくる客は初めてやな 、なんて呑気な事考える暇もない 。
「 表情硬いからまた来る時は笑顔見せてや ッ 、 」
右の口角を上げた企んだ顔でおれを見たのは間違いなくてこんなに心臓がうるさいのも間違いなくて彼の事をもっと知りたいって 、
「 …… ッ 、かっこよすぎるやろぉ 、、 ！ 」
火照った顔にはこの店内の少し肌寒いくらいの温度のエアコンがちょうど良かったけれど
あの人とおれの事を無かったことにするようで何処か少し寂しくもなった 。
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作者名：RYU | 作成日時：2017年7月26日 22時
