水蜜桃 -Genki.I- ページ7
あの…、私達付き合ってるよね？
先月のバレンタインに、
「付き合ってください。」
そう告白したら、頬を桃色にして少しうつむき加減で、
「…うん。」
って言ってくれたよね？
なのに何でだろう。
この１か月、何の連絡もない。
電話番号もLINEも交換してるし、お互いの家だって知ってるよね？
私から告白したんだから、私からアクション掛けなきゃだめ？
そう思って学校でも話しかけようとするけど、岩橋くんは神宮寺くんの後ろにスッと隠れてしまう。
これは…、私のことを避けてるよね。
怖がってるっていうか…、いやむしろ、迷惑に思ってる的な。
もしかして勢いでＯＫしちゃったのかな。
ああ…、ネガティブ想像が止まらない。
明日は卒業式。
きっと会話もできないまま、私達は卒業してしまうんだろう。
岩橋くんも私も大学進学が決まってるし、違う大学だから。
もう会うこともないだろう。
だから…、あのバレンタインの告白は、なかったことにしてあげるね。
卒業式の間、斜め前に座ってる岩橋くんの横顔をずっと眺めてた。
だけど、やっぱり好きが止まらなくなって、卒業の寂しさよりも岩橋くんと離れる寂しさの方で涙が止まんなくなった。
卒業式の後、校門近くで友達と写真を撮ってる間も、私はちゃんと視界の中に岩橋くんを収めていた。
仲良しの神宮寺くんや岸くんと写真を撮ったり、女子にツーショットをせがまれたりしてるところも。
神宮寺くんや岸くんは気軽にツーショットを撮ってるけど、岩橋くんは頑なに拒否してて、それがなんだか可愛くて安心した。
あの時、私の告白に頷いてくれてありがとう。
優しい岩橋くんはきっと、私を傷つけたくなくて、あんな曖昧な返事をしたんだろうな。
卒業式の後は一旦解散して、夕方からクラスの打ち上げ。
もう制服姿の岩橋くんは見れないんだ。
そう思ったら、ますます切なくなって、この場から早く立ち去りたくなった。
とりあえず早く１人になって泣きたい。
でも、岩橋くんの最後の制服写真は欲しいから、後でこっそり神宮寺くんに頼んでおこう。
騒がしい輪の中を突っ切って、正門から帰っていく勇気はなくて、こそっと校舎の中に戻る。
この校舎の中を抜ければ、裏門から出られるはず。
誰にも見つからないように校舎に入って、そのまま長い廊下に出た。
この廊下を抜ければ、裏門に続く道へ出る。
「…A！」
廊下に足を踏み入れた途端に、後ろから呼び止められた。
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わかめん(プロフ) - ちあきさん» コメントありがとうございました。チョコミントも読んでいただいて感謝感激です。天才とか！！！畏れ多いですが、そんな風に言っていただけてうれしいです(/ω＼) (2018年4月1日 21時) (
レス) id: b9a73f2b64 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - チョコミント〜の作品を読ませていただいていて、こちらに飛んできました。ほっくんの短編を読ませていただきました。天才ですね（語彙力） (2018年3月19日 0時) (レス) id: a4f7d39adb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめん x他1人 | 作成日時：2018年3月14日 18時
