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シルク:海が綺麗ですね。 ページ1

海に行こう、そう誘われたのは1時間前。

いつも忙しい彼が暇をぬって声を掛けてくれたのが嬉しくて、速攻で了承して、身支度をした。

海までは電車で行くらしい。

混雑する電車内で、はぐれないようにと絡め取られた指が気恥ずかしくて、嬉しくて。

それとなく握り返したらちょっと赤くなった彼がなんだか可愛く見えた。


やがて電車は海の最寄り駅に到着する。

潮風の薫る駅から徒歩数分。


『わぁ…!』


目の前に広がる見事な2系統の青と白い砂浜のコントラスト。

時期が時期だからか、私達以外の人は居ない。


まるで、2人だけの世界になったみたいだ。


シルク「っしゃ!A、城でも作ろーぜ!」

『良いね!』


海の中には入れないけど、それで良かった。

1、2時間が経つ頃には、2人がかりで大きな城を作り上げた。

達成感に満ち溢れ、得意げに笑ってるシルク。

砂の城の横に寝転がる彼の隣に座った。


太陽の光を反射させて輝く海。
きっとこの海はいつまでも変わらずに人々を見ていくのだろう。

私達は、どうなるのかな。

愛されてる自覚はあるし、私もシルクの事は好き。

だけど、いつか別れは必ずくる。

シルクは全国的に有名で忙しいし、ファンだって多い。

そんなシルクと私なんかが一緒に居て良いのかな?

怖いのだ、私は。


シルク「Aー、どした?」

『なんでもないよ。』

シルク「…嘘つけ。」


ああやっぱりバレちゃうものだ。

伊達にリーダーはやってない、って事か。


シルク「A。」


不意に起き上がったシルクが私の事を抱き寄せた。

小さい身体でも、何故か安心する。


『何?』

シルク「…海、綺麗だな。」

『…そんなに照れなくてもいいじゃない。』


シルクの頬は真っ赤で。

そんなシルクがまた一段と愛おしくて。


『暖かいね。』

シルク「え、肌寒くね?」


開き直ったシルクの事をこっちからも抱き締めてやる。

少なくとも、今は。

いつか来る別れを忘れてシルクに溺れていよう。

ダーマ:好きな癖に。→



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OSO - いろんな作品から来ました♪更新頑張ってください! (2018年10月5日 6時) (レス) id: 04bdd4e69b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊達。 | 作成日時:2018年9月21日 6時

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