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暗躍 ページ12

Noside


とある路地裏、1人の男が息を切らして走っている。


誰かに視られている。
誰かにつけられている。
誰かに追われている。


最初はただの疑念だったそれは、徐々に確信めいていき、男はついに振り返った。


「こんばんは。…良い夜ですね。」


後ろにいた男性が話し掛ける。
その手には、鋭く輝くナイフが握られていた。

危機感を感じて逃げるのには遅かった。


ナイフ男は逃げる男を延々と追い続け、ついにはこんな暗い路地裏に来てしまったのだ。

入り組んだ路地裏なら確かに逃げ切れる確率も高いが、捕まる確率も上がる。

しかし、逃げる男は自身が逃げ切れる可能性にかけたのだ。


死亡(Dead)(or)(alive)か。


必死に逃げている最中、男は気付いた。

否、気付いてしまった。


視線が増えている。
追い込まれている。


そんな考えすら振り切るように、もつれそうな足を動かす。

が、最大の誤算はナイフ男の体力だった。


かなりあった筈の距離は一瞬にして詰められ、ナイフが振り翳される。

追われる男は咄嗟に半開きの扉の中に転がり込んだ。


パチパチパチ……


転がり込んだ暗闇からは、複数人からの拍手が聞こえた。


「やー、鬼ごっこでここまで逃げられたの初めてじゃない?」

「ま、関係なくなるけどね。」


ナイフ男が後ろ手に扉を閉め、密室空間に孤立無援で立ち尽くす男。

絶望的なこの状況は最早抜け出せない。



「俺達の愛しい彼女に手を出そうなんて…許されないよね?」

黒が呟く。


「全く…あんまり彼女に負担は掛けて欲しくないんだけどな。」

紫が溜息をつき。


「何かあってもすぐ分かるんだけどね…。」

緑がスマホを片手に。


「やっぱり俺達以外近付けるべきじゃないんだよ!」

桃が拗ねて。


「まあ、彼女に限って誰か他に男作るとは思わないけど、不安だよね…。」

黄が手首をさする。


「悪いけど、俺達、彼女が居ないと生きていけないんだよ。」

青が自嘲気味に口の端を釣り上げ。


「じゃあ、サヨナラ。」

やがて、赤が嗤った。

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レイ(プロフ) - こーゆーのまじで好きです…。やばい。みんなのヤンデレほんとに好き…最高でした…!!!もしも続きがあれば楽しみにしてます!別作も頑張ってください!応援してます! (2020年4月11日 18時) (レス) id: 9045735352 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - どんどん怖くなってゆく、、、、、まぁ好きな人に殺されるなら本望かな? (2018年10月27日 17時) (レス) id: 9f2d1964ce (このIDを非表示/違反報告)
Kako(プロフ) - 狂気の歯車は止まらないってわけですね…。 (2018年10月25日 18時) (レス) id: d79f67c83a (このIDを非表示/違反報告)
伊達。(プロフ) - りょうさん» 最後までご閲覧頂きありがとうございました!ラストとの落差すごいなって自分でも思ってたんですけど、楽しんで頂き何よりです! (2018年10月13日 17時) (レス) id: fe0d9e5760 (このIDを非表示/違反報告)
りょう(プロフ) - 完結おめでとうございますー!もう、ヤンデレ具合が最高でした!ラストはちょっとドキドキして...とにかく面白かったです!これからも頑張ってください! (2018年10月13日 11時) (レス) id: 60a3c2e8e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊達。 | 作成日時:2018年9月16日 14時

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