赤い狂気─sl side─ ページ19
side．sl
俺がAの事を好きだと気付いたのはいつだったか。
好きだと気付いた日の事は忘れたが、気付く切っ掛けは覚えている。
若干人見知りをするらしいAに初めて会ったのは、マサイから話を聞いてから4日が経つ頃。「妹の方からも会いたがっていた」という言伝を聞き、Aが来てから初めてマサイの家に入った。
久しぶりに入ったマサイ家のリビングには、俯き気味で正座してテーブルの前に座る可愛らしい女の子。この女の子がAちゃんだと気付くまでに数秒を要した。
『えっと…君がAちゃん？』
A「あっ…はい。上木Aと申します。初めまして…。」
正直言って、可愛いと思った。長めの前髪から覗く切れ長の目は美人と形容するに相応しいけれど、遠慮しがちにこちらを見上げるAには何とも言えない庇護欲が唆られたのを覚えている。
Aは人見知りと言いながら、頻繁にマサイとAの家を訪れる俺達を歓迎してくれた。人は見掛けに寄らないと言うが、確かにその通りだ。黙っていれば冷たい印象を与えがちな顔立ちでいながら、話せばふんわりと優しく微笑んで話を聞いてくれるのだ。
そんなAと俺が邂逅を果たしてから幾日か経った頃。
俺の携帯に差出人不明の誹謗中傷メールが届いた。
内容はありがちなもので、殺人予告とも取れるような酷い言われようだった。
俺だって人間だ。こんな風に言われれば多少なりとも傷付く。
だから、いつもは気付く筈のAの存在に気付けていなかった。
A「酷いですね…」
『うわっ！？Aかぁ…ビックリしたー…』
A「シルクさん、良いことを教えてあげます。」
『ん？』
A「人気者は嫉妬される運命なんです。そんなの負け犬の遠吠えです。気にするだけ無駄なんで、これでも食べていつものシルクさんになって下さい。」
ズバリと言い放つAに呆気に取られている内に、Aは俺に手作り感溢れるマフィンをくれた。
儚いと思っていた彼女の思わぬ芯の強さを見た瞬間だった。
その時くれたマフィンが美味しかったのは言うまでもない。
好きだと気付いてからは早かった。
Aを自分のモノにしたい。Aに俺を見て欲しい。その笑顔を俺だけに見せて欲しい。
ドス黒い欲だけが腹の底に溜まっていくのが自分でも分かる。
それが自分だけの感情じゃない事を知るのはもう少し後の話。
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Kako(プロフ) - 普通に分析してないで、警察に行きましょう(笑) (2018年11月21日 8時) (
レス) id: d79f67c83a (このIDを非表示/違反報告)
たまご - ほんともう…大好きです！！ヤンデレ好きなのにプラスでフィッシャーズとか…！！これからも応援します！！ (2018年10月29日 18時) (レス) id: d1bd9df2a1 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - やべぇ、、、、、、、、 (2018年10月27日 19時) (レス) id: 9f2d1964ce (このIDを非表示/違反報告)
もっきゅー - すいません、名前もきゅーじゃなくてもっきゅーです (2018年8月31日 21時) (レス) id: 02c268e020 (このIDを非表示/違反報告)
もきゅー - 面白かったです！最後の場面では鳥肌が凄かったです（笑）私もヤンデレ系統の作品を書いているところなので良かったら見てみてください！続編が出たら見ます！ (2018年8月31日 21時) (レス) id: 02c268e020 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊達。 | 作成日時：2018年8月9日 21時
