ちょっと逃げてみようか。 ページ12
色々あった日から一夜明け。私は気付いた。
『(あれ、これって壮大なタイトル詐欺じゃね…？)』
メタいとかは言わないで欲しい。気付いた物は仕方ない。そういう訳で…
ちょっと逃げてみようか。
朝7時。近所のスーパーは開いている。買い出しに行くと言えばきっとヤンデレ達はコンビニに行ったと勘違いするだろう。ところがどっこい私はスーパーに居る。買い出しは嘘じゃない。勘違いした貴方達が悪い。
ショートスリーパーのシルクさんならきっと起きているからシルクさんに話して行こう。
…と思っていたけれど。
『いない…』
それなら仕方が無い。グループメールで買い出しに行く旨を伝えよう。
着替えを取りに箪笥を開ける。
『あ…』
箪笥の上にある小さな壁に掛ける形の鏡。そこに映る私の首筋には真新しく咲き誇る真紅の痕があった。
普段は外に出ないから、こんなのを気にしなかったけれど外に出るとなるとかなり気になる。
見ると、腕やら手の甲やら脚やら色々な場所にあった。私が表立って反抗しない限り、彼らはこういった事をしない。今回私の反抗が無かったにも関わらず、痕がついているという事は、やっぱりかなり元カレの件が堪えたのだろう。
まあ、さらに塩を塗りたくりに行くわけだがな！！
首元の痕はフードで誤魔化せば良いし、脚の痕は現役時代に使っていたインナースパッツ履くし、腕の痕は2つしかない。しかも見えるのは1つだけ。絆創膏をはれば大丈夫。
因みに、後がついているのは7ヶ所。メンバー全員分。
『行ってきます。』
携帯は置いていく。近場だし忘れたっていう事にしておこう。
朝の空気が美味しい。時間のせいか、人々の喧騒は無く、明るい太陽と清々しい風が吹いている。
…なんか走りたくなってきた。
スーパーまで回り道をして走って行こう。こんな心地良い風が吹く日に走らないなんて勿体無い。思い立ったが吉日と誰かも言っていたじゃないか。
リュックサックを背負い直して少しずつペースを上げて走る。頬を撫でる風が気持ちいい。鬼ごっこの最中は感じなかった感覚だ。
スーパーに着く頃には軽く汗ばんでいた。だけど、そんな事は気にならなかった。
ヤンデレ達が近くにいない喜びが勝っていたんだ。
……だから油断していた。と言うより、忘れていた。
私が何処に居ようと関係ない。
私が居なければ何をし出すか分からない。
ヤンデレというのは恐ろしいという事を。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 354人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「逆ハー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Kako(プロフ) - 普通に分析してないで、警察に行きましょう(笑) (2018年11月21日 8時) (
レス) id: d79f67c83a (このIDを非表示/違反報告)
たまご - ほんともう…大好きです！！ヤンデレ好きなのにプラスでフィッシャーズとか…！！これからも応援します！！ (2018年10月29日 18時) (レス) id: d1bd9df2a1 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - やべぇ、、、、、、、、 (2018年10月27日 19時) (レス) id: 9f2d1964ce (このIDを非表示/違反報告)
もっきゅー - すいません、名前もきゅーじゃなくてもっきゅーです (2018年8月31日 21時) (レス) id: 02c268e020 (このIDを非表示/違反報告)
もきゅー - 面白かったです！最後の場面では鳥肌が凄かったです（笑）私もヤンデレ系統の作品を書いているところなので良かったら見てみてください！続編が出たら見ます！ (2018年8月31日 21時) (レス) id: 02c268e020 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：伊達。 | 作成日時：2018年8月9日 21時
