ゲーマー少女、追われているんですけど。

歴史は受け継がれた ページ37

犬塚side


『これ…！ありがとうございます！！大事にしますね！』

目の前には笑顔のA。
この日がやっと来たんだねえ。

犬塚「あ、そうだ。これも渡さないとねえ。」

すぐ横の壁に掛けておいたある物を手にとる。

犬塚「ほら、これがないと最終選別で鬼と戦えないだろう？」

『これって…………


…………………刀？』

犬塚「そうだよ」

『でも犬塚さん、私はもう犬塚さんから……』

犬塚「一振り、すでに渡しているもんなあ。」

『は、はい……』

犬塚「桜の呼吸の使い手はそんなに居ないんだよ。

そもそも、桜の呼吸自体はそんなに知名度はないし、

何しろ、「使い手を選ぶ呼吸」と言われるほどだしな。」

そう、桜の呼吸は簡単に言えば、すばしっこい動きが出来る前提での呼吸だ。

呼吸に合った体つき、呼吸を使う為の頭脳、そして才能……

少しでも合わない奴が鬼を相手に使えばお陀仏。

まさに、「使い手を選ぶ呼吸」…………。

誰が言い出したか知らないが、まさにぴったりな呼び名だ。


見事に適応した者の為の呼吸と言えるほど、
出来る奴は出来るのだ。


そう、過去に桜の呼吸が使えた人物は
長く続いた時代、江戸のみで数えるのならば、

両手さえあれば数えられるほどの少人数…


本当に文献にあった通りに、
戦国の時代から続いていたのかが不思議だ。


.


……………ただし、それを証明できる数少ない品が


犬塚「これはな、桜の呼吸の剣士に代々、
戦国の時代から受け継がれてきた脇差しだ。

………これをお前に託す。
絶対に、死ぬなよ。生きて帰れ。」


.



.



65代目、桜の呼吸頭。

猫屋敷 A。


桜の花の誓いを………

その悲願を…………


絶対に果たしなさい………

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