番外編2 ページ39
【初恋】
『え？私の初恋？』
「うん！やっぱりトムトム？」
『なんだかすっかりトムトムに定着したね』
美奈ちゃんが呼んだ「トムトム」とは弔のことだ。
籍を入れた関係で、私の苗字になった彼。
みんなには死柄木という呼び名が定着していたので、一時期はどう呼ぶかで議論になっていたものだ。
結果、男子は弔と呼び、女子はトムトムと呼んでいる。
『うーん。3歳くらいのときに公園で会ったお兄さんが初恋、なのかなあ』
「お兄さん？」
その当時、お父様が亡くなったことでお母様が塞ぎ込む事が多くなっていた。
だから近くの公園で一人で遊ぶ事が多かったわ。
「お嬢ちゃん、一人で遊んでるの？」
そう話かけてきたのは大きなマスクと帽子を被った人。
今思えば、れっきとした不審者ね。
『うん。おかあさま、いそがしいから』
「そうなんだ。そうだ、お腹空いてない？
美味しいお店を知っているんだ。一緒に行こう」
人の悪意を向けられたことも、ましてやそんなものを知らない私は、なんの疑いもなくついていこうとした。
けれど、強引に引かれた手に違和感を覚える。
危ない。
本能でそう思ったが、個性も力も何もない子供では抜け出すことは不可能。
どうしよう、と焦ったその瞬間、フッと掴まれていた手が離された。
『え？』
見れば男は倒れているではないか。
そして、代わりにそこに居たのはスーツ姿の男の人。
「知らない人に付いていったらダメだろ」
そういって私の頭を撫でる。
『おにいさん、ありがとう。
わたしはAっていうの。
おにいさんはだあれ？』
「いつか、大きくなったら分かるよ」
強い風が吹いた。
反射的に目を閉じる。
「またね」
そう言って先程のお兄さんは姿を消した。
「なにそれ！！」
「そのお兄さんとは会えたの？」
『ううん。顔も覚えてないし、分からないまま』
でも、何だか聞いたことのある声だったような気がする。
いつか、会えたらいいな。
(ッ、クシュン)
(なんだ弔！クシャミかわいいかよ‼)
(ウルサイ)
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のえたん(プロフ) - akuaさん» リクエストありがとうございます。書かせていただきます(^o^) (2019年6月18日 15時) (
レス) id: ee02f97984 (このIDを非表示/違反報告)
akua(プロフ) - リクエストお願いします！弔が個性で子供になる話読みたいです！ (2019年6月18日 10時) (レス) id: 00971fdcab (このIDを非表示/違反報告)
のえたん(プロフ) - レイさん» リクエストありがとうございます！書かせていただきます！ (2019年6月16日 14時) (レス) id: ee02f97984 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - のえたんさん» リクエストよろしいですか？弔と夢主ちゃんがヒーロー基礎学の授業に出るお話を書いてほしいです！ (2019年6月15日 23時) (レス) id: d0447010f9 (このIDを非表示/違反報告)
のえたん(プロフ) - ここまで読んでいただきありがとうございます！番外編もがんばりますので、よろしくお願いします(^^) (2019年6月9日 15時) (レス) id: ee02f97984 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のえたん | 作成日時：2019年5月10日 17時
