70:手放す覚悟もないくせに ページ10
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side TH
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YG「…で、お前昼から何も食ってねぇのか」
TH「ヒョン……」
YG「今、夜だぞ」
Aとの約束の10時は刻々と過ぎて、朝までは晴天と曇天の間だったグレーの空は既に夜の色に染まりきっていた。
今は夜の8時。様子を見に来たのか突然来たユンギヒョンの手にはコンビニの袋。
YG「取り敢えず何か食え」
TH「……ずっとカトクも既読つかないし電話も電源切ってるのか繋がらないし。」
YG「あ？」
心配で迎えに行こうとしたけどどうしても。Aが俺との約束を破ったと思いたくなくてバカみたいに待ち続けた。
YG「完全にすっぽかされたんだろ」
TH「…うわ、ユンギヒョン嘘でも慰めてよ」
YG「気持ち悪ィ」
TH「ひど。」
ずっとベッドに沈めてた体を起こしてヒョンと一緒にベランダまで出る。
流石に部屋の中で煙草を吸われてもね。
案の定このヒョンはベランダに出た瞬間煙草に火をつけて口に咥えた。
YG「お前、今日は吸わねぇのか」
TH「元々好きじゃないし。…今日は、いい。」
YG「……テヒョンア」
TH「Aも煙草の苦さは好きじゃないんだよねコーヒーは飲めるのに変なの」
手すりに肘をついて、ただただ広がる景色の中A1人を探してた。
俺に、会いに来るんじゃないかって探してた。
YG「もう諦めろ。事情か何かあんだろ、向こうも」
TH「……何言ってんの」
YG「来ねえよ、あいつは。」
TH「来るよ」
YG「来ない。わかってんだろ」
TH「…来るってば、」
俺の乾いた声が小さくなっていく。
ユンギヒョンが吐き出すその煙が呼吸を僅かに邪魔する
TH「……Aが来ない訳ないんだよ。いつだって俺は、Aの中で1番だから」
それ以上の奴なんて居ない。
YG「…そうだったんだろうな」
TH「何その言い方。本当だからね」
YG「疑ってねぇわ。ただ人の気持ちは繋いでおいても変わるもんだろ」
YG「……誰かが、変えてく場合だってあんだよ」
ユンギヒョンの呟きが心を燻る。
YG「テヒョン、何で手放すつもりも覚悟もないのに繋ぎ止めておかなかったんだよ」
TH「Aは俺しか見てなかったから……見てないから、そんなの要らないでしょ」
Aの気持ちは変わらない。俺の気持ちも。
“ごめん、テヒョン。今日は会えない”
…悲しいほど、俺の心は変わらない
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choco - 今まで見た作品の中で1番好きな作品になりました。ありがとうございます！ (2022年5月23日 19時) (
レス) @page49 id: 7083a913c1 (このIDを非表示/違反報告)
mimi39901065(プロフ) - 初めまして。夢小説にハマるきっかけをくれた作品で、本当に何度読んでも胸が一杯です。素晴らしい作品ありがとうございます。 (2022年2月13日 20時) (レス) id: 96f9571aaf (このIDを非表示/違反報告)
noooooon24(プロフ) - 好きすぎて3回も見ました！本当に感動作です。この2人の続編が見たいです、できたらすっごくイチャイチャラブラブの2人の幸せを見たいです！勝手なお願いですがぜひお願いします。ここまで大好きな作品なかなか出会えないので、、 (2022年2月2日 22時) (レス) id: 8c9cc794ae (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア(プロフ) - 初めまして。お話を読んで涙が止まりませんでした。素敵なお話ありがとうございます。 (2021年9月4日 9時) (レス) id: 73d93b58ca (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - お話が素晴らしすぎました！ストーリー引き込まれ、大号泣しながら一気読みしてしまいました。とてもいい作品をありがとうございました。 (2021年6月20日 3時) (レス) id: 8c7ead2968 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ただのルート
| 作成日時：2019年10月31日 14時
