91:振り返った先に彼が居ない ページ41
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静かなリビング、何もないソファ。朝ご飯をねだる声。
それら全てが消えた朝はやっぱり慣れることがなくて、それでも慣れていかないと。そう思った。
ソウルの街を歩きながら、この人混みの中にジョングクが居るんじゃないか、そう考えてしまう悲しい習慣。
「…っ見つけた、」
瞬間、誰かが後ろから私の腕を引いた。
その時、確かに思ったの。
ジョングクなんじゃないか、って、
……聞こえた声すらもあの声に聞こえてしまって、
TH「…A、おはよ。」
「……テヒョン」
錯覚でもしてくれれば良かった。
私の目が、会いたくて堪らない彼を都合よく映し出してくれれば。
その瞬間だけでも私は幸せに浸れたのに。
…ジョングクだったら、良かったのに。
「…どうしたの、こんな時間に。」
TH「少し前からずっとAを探してた」
「……話す事は昨日話したでしょ？」
TH「Aはそうでも俺はまだあるんだよ」
「聞きたくない。」
私の口から零れた冷たい声にテヒョンは少し唇を噛んだ。
それでもテヒョンの何かを決意したその強い瞳が射抜くから、私も怯えた心を隠すように見つめ返す。
テヒョンと話すことはもうない。自分の中で出した答えを曲げるつもりなんてなかった。
TH「ジョングクの事で話したいから、聞いてよ」
「…ジョングク？」
TH「ジョングクがAから離れたの、…俺の所為かもしれないって言ったら、どうする？」
テヒョンに掴まれたままの腕が悲鳴をあげた。
私を見つめるその瞳は涙の跡がまだ残っていて、それでも私を真っ直ぐに射抜いている。
…テヒョンの言ってる意味が、わからない
だってジョングクとテヒョンは1度しか会ってないのに何でそうなるの。
「…っそんな冗談やめて」
TH「Aに嫌われる覚悟までしたんだから聞いてよ、A。…絶対じゃないけど冗談でもない」
「テヒョン…、」
TH「今日で丁度2週間じゃない？ジョングクが居なくなったの。」
その言葉に、周りの音が全て消えた。
2週間前のあの虚しさと動揺は鮮明に焼き付いてる。
身体にも、心にも。
私の揺れる瞳に映るテヒョンは
TH「2週間前、会ったよ。ジョングクに。」
「………え？」
TH「返しに来たんだよ、…俺のブレスレット。」
その低い声で私の脳内を揺さぶった
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choco - 今まで見た作品の中で1番好きな作品になりました。ありがとうございます！ (2022年5月23日 19時) (
レス) @page49 id: 7083a913c1 (このIDを非表示/違反報告)
mimi39901065(プロフ) - 初めまして。夢小説にハマるきっかけをくれた作品で、本当に何度読んでも胸が一杯です。素晴らしい作品ありがとうございます。 (2022年2月13日 20時) (レス) id: 96f9571aaf (このIDを非表示/違反報告)
noooooon24(プロフ) - 好きすぎて3回も見ました！本当に感動作です。この2人の続編が見たいです、できたらすっごくイチャイチャラブラブの2人の幸せを見たいです！勝手なお願いですがぜひお願いします。ここまで大好きな作品なかなか出会えないので、、 (2022年2月2日 22時) (レス) id: 8c9cc794ae (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア(プロフ) - 初めまして。お話を読んで涙が止まりませんでした。素敵なお話ありがとうございます。 (2021年9月4日 9時) (レス) id: 73d93b58ca (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - お話が素晴らしすぎました！ストーリー引き込まれ、大号泣しながら一気読みしてしまいました。とてもいい作品をありがとうございました。 (2021年6月20日 3時) (レス) id: 8c7ead2968 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ただのルート
| 作成日時：2019年10月31日 14時
