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85:腕を振り払うその手 ページ35

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気がつけば1週間、日が経っていた。





YG「…うおっ、気配殺してんなよ」


「…殺してませんよ」


YG「完全に自販機の陰に同化してんじゃねーか」







自販機の隣にあるベンチに座ってる私を見下ろすユンギさんは煙草を買いに来たらしく。



そんな彼に笑顔を作ったところで無意味なのは知っている。







YG「……疲れてんな。」


「少し。」


YG「これでも飲んどけ」


「わっ、…え、あ、お金!」


YG「要らねぇ」







投げ渡されたのは缶コーヒー。


前にタクシー代渡された時も思ったけどユンギさんは少しお金に対して執着がなさすぎる気がする


そんな彼を見つめていれば、視線が重なる







YG「それ好きなんだろ」


「え?」


YG「微糖のコーヒー。」


「知ってるんですか…」


YG「どこぞのバカが喫煙所でそんな話ばっかすんだよ」







全く…。と呆れながらも瞳が穏やかなユンギさんにほんの少し肩を竦める


その冷静で逃げを許してくれないユンギさんの目は依然私に向けられたまま。



それが「何があった」の意だということも、私は分かってしまう





…分かってしまったから、逃げたかった。











「…コーヒーありがとうございます。今度奢らせてもらいますね」


YG「別にそれはいい。そうじゃねぇだろ」


「私、そろそろ戻ります」


YG「…今はそうじゃねぇだろうが。」









ユンギさんに掴まれた腕が悲鳴をあげる。


…痛くはない、振りほどける強さ。


なのに心が痛い。振り解く力が、出ない









「…ユンギさ、ん、」


YG「分かってんだろ、もう」


「わかりませんよ」


YG「分からない奴は逃げねぇよ」










私に「話せ」とせがむその瞳が見れない。


……見たくない、話せない、話したら。








「…誰かに今 話したら、認めることになるじゃないですか。」


YG「認めろよ。」


「嫌です、」









目頭が熱くて堪らなかった。


それでも、ジョングクが「ヌナ」って生意気に笑う姿が脳裏に浮かんで離れない。


“ヌナから離れない。待ってる。”


そう私に言ってきたジョングクの言葉を嘘になんてしたくない、だから、







「…っ、離してください、ユンギさん、お願いだから、」








精一杯それだけを吐き出した刹那、


私を掴んでいた腕がすぐに離れる。いや、違う







TH「…何してんの、ユンギヒョン。」





怖い顔をしたテヒョンがユンギさんの手を振り払った

86:俺にしてよ→←84:彼が残したものは



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choco - 今まで見た作品の中で1番好きな作品になりました。ありがとうございます! (2022年5月23日 19時) (レス) @page49 id: 7083a913c1 (このIDを非表示/違反報告)
mimi39901065(プロフ) - 初めまして。夢小説にハマるきっかけをくれた作品で、本当に何度読んでも胸が一杯です。素晴らしい作品ありがとうございます。 (2022年2月13日 20時) (レス) id: 96f9571aaf (このIDを非表示/違反報告)
noooooon24(プロフ) - 好きすぎて3回も見ました!本当に感動作です。この2人の続編が見たいです、できたらすっごくイチャイチャラブラブの2人の幸せを見たいです!勝手なお願いですがぜひお願いします。ここまで大好きな作品なかなか出会えないので、、 (2022年2月2日 22時) (レス) id: 8c9cc794ae (このIDを非表示/違反報告)
プルメリア(プロフ) - 初めまして。お話を読んで涙が止まりませんでした。素敵なお話ありがとうございます。 (2021年9月4日 9時) (レス) id: 73d93b58ca (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - お話が素晴らしすぎました!ストーリー引き込まれ、大号泣しながら一気読みしてしまいました。とてもいい作品をありがとうございました。 (2021年6月20日 3時) (レス) id: 8c7ead2968 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ただのルート | 作成日時:2019年10月31日 14時

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