俺を壊せるのは、ヌナだけ

11:神様だって許してくれない ページ11

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昼になっても夕方になっても、テヒョンからのメッセージは届かなかった









「……テヒョン、」









終わりだよ、と告げられる事が怖かった。



でも今はそれすら無い事が怖い。



縋り付く事すら許されないようで、怖い。











JK「…ヌナ、ただいま」



「！ …ジョングク、鍵は？」



JK「スペアキー借りた。新しく鍵作る間だけ」



「なら自分の家、戻りなよ」



JK「俺の第二の家はここだから」












ちゃりん、スペアキーを揺らして見せるジョングク



私は彼が出て行ってから鍵をかけ直すことすら忘れて、ずっとテヒョンとのカトクをソファで眺めていたんだと今気づく












JK「…誘い、断ったの何か言われた？」



「……言われてない」



JK「……」



「何も、ない」












ソファで膝を抱える私の隣に、ゆっくり腰を下ろすジョングクの視線が刺さる



別れを告げる事も、言及もない。



…本当に私はテヒョンがわからない














「……どうしてっ、何でも良いから一言くれれば違うって、縋り付くのに…」














私はジョングクの手を取った。




そんな事実だけで変われる程単純じゃなかった。












「…テヒョン、」




JK「ヌナ、俺がいるから。」



「……。」



JK「こっち見て。」














嫌、テヒョンじゃないと。



そう口にすら出来なくて、膝を抱える。









「…帰って」



JK「契約じゃん、俺にくれるって。それに断ったからテヒョンは家に来ないでしょ」



「………わかってる」



JK「縋り付きたいなら俺にしなよ」













彼は私に何を求めてるんだろう。



その疑問はすぐに砕ける。彼は私の愛が欲しいだけ



テヒョンと違って、あまりにも分かりやすいその欲に私は縋り付いて応える。









このままじゃ、本当に壊れそう











「…っ、テヒョン、」



JK「うん」



「お願い、側にいて…」












側に居られるだけでいい、偽りでもその口で愛してるって言ってくれれば私は生きていける




この地獄すら、テヒョンがいれば十分なの。




それはテヒョンが居なければダメなのと同義。











「テヒョン…っ、愛してる」









愛したい、なんて許されないワガママ。







JK「…もっと、愛してよ」








それを許したのはテヒョンではない彼



…雨が降り出す外を他所に、リップ音が鳴る

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