ライバル多し、恋せよ乙女 (ページ16)

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チャイムが鳴って、部活に行く人もいれば、帰宅する人もいて。

私はいつものように帰ろうとした。

そのとき

｢佐倉さん｣

聞き覚えのある声にとっさに振り向くと

｢ちょっといい？｣

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またこれか、、

"あの時"と同じように、人気のない所に連れてこられた。

｢あのさ、何回言えば気が済むわけ？あの時言ったよね、これ以上近づいたら許さないって｣

『…はい』

｢じゃあなんで？うざいのよあんた

あんたみたいな魅力も何も無い普通の高校生に浮所くんたちとじゃ釣り合うわけないでしょ？｣

『…』

言い返せない自分が辛い。

だって、言われてることは間違ってないから。

だけど、このまま言われ続けるのも嫌だ。

｢聞いてんの？まじであんた『なんで』…え？｣

『なんで… ダメなんですか…』

声が震える。

『わかってます。自分がなんにも魅力がないことくらい。でも、少しでも浮所くんに気づいて欲しくて、話したくて、手を振りたくて、』

『私に文句言ってる暇があるなら、雄登たちにアピールしてくればいいじゃないですか』

言ってしまった。

涙が溢れてきそうで、唇をかんだ。

｢…あんったねぇ｣

その人が、持っていたカバンをふりあげた。

｢なにやってんの｣