6話 ページ7
それから金曜日まで、私は練習に付き合わされた。
何故だ、どうして私まで！
まだ入部するつもりはないのに...！
飛雄のやつ、毎朝毎朝インターホン鳴らしやがって！
あ、ちなみに飛雄とは家が近いんです。
その間にある道路で地区が別れてるから小学校とかは違うんだけどね。
『仁花ぁぁぁ！』
谷地「あはは、お疲れ様だね」
ほんっとにね！
今日の朝もずっと二人でパスしてた。
私はなんのために呼ばれたんだ！
『仁花大好き』
谷地「うん」
もう言い過ぎてあしらわれるようになってる。辛。
最近は仁花でスマホのフォルダが埋まってきた。
スマホに天使がおる。
『寝不足過ぎて逆に元気』
でも授業中は寝てることが多い。
担任「おーい、不破寝るなー」
『睡眠学習っす』
担任「舐めてんな」
決めた。今日は帰ろう。
どうせまた明日呼ばれるんだ。
少しくらい睡眠時間を取っても大丈夫だろう。
...お腹空いた。
──土曜日──
最近ずっと早起きだったから目が覚めてしまった。
くっそ！！
何かもう、体を動かさないとスッキリしなくなってきた。
ランニング行こ。
ジャージに着替えて家を出る。
走るコースは気分で変わる。
あまり遠くに行きすぎると帰れなくなるけど。
一定のリズムで走っていると角から人がでてきた。
『おうっ』
「わっ、ごめん！」
今回は回避したがぶつかるの多くないか？？
『すみません！』
謝ろうと上を見ると見た事あるような顔だった。
誰だっけ。
「ごめんね！大丈夫だった？」
『いえ、こちらこそ』
軽く会釈をして走り出す。
えー、誰だっけ。見たことあるんだよな。
確か雑誌だった気がする。
あ、思い出した。
『及川徹』
「俺がどうしたの？」
突然の声に声にならない叫びをあげて、勢いよく距離をとった。
いつから居た。てかさっき別れたよね！？
なんでまだいんの？？
警戒心MAXの私を見て、面白そうに笑う。
「え〜？俺のかっこよさにびっくりしちゃった？」
『それまじで言ってんならあんたは重症だ』
「酷い！」
『てか何で着いてくるんだ』
「俺はいつもこのコースなの！」
雑談をしながら走る。
どうやらこの人は青葉城西の３年生らしい。
先輩か。やだな。
『じゃあ私こっちなんで』
「うん！またね！」
めっちゃ笑顔で言われたけど“また”が来るかどうかは分からんぞ？
私は気分でコース変わるから。
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作者名：咲夜 | 作成日時：2024年2月28日 0時
