やっちゃんガチ勢は天才説 (ページ39)

今日:336 hit、昨日:168 hit、合計:65,802 hit

38話ページ39

部活が終わり制服に着替える。

『お待たせ仁花！帰ろっか！』

谷地「うん...」

なんか表情が暗い。先輩がなんかした？
そんなことする先輩じゃないけど。

『何かあった？』

谷地「え！あっ、ううん！なんでもない！」

『嘘、なんでもない顔じゃなかった』

仁花の手を引いて公園のベンチに腰を下ろす。

『さて谷地仁花さん。洗いざらい吐いてもらおうか』

谷地「取り調べ？」

少しの沈黙があった後、少しづつ話し出した。

谷地「バレー部の皆さんは一生懸命で、私が居ても邪魔なんじゃないかなって...思った」

『それは誰でもそうなんじゃない？』

谷地「え？」

『整った輪の中に誰かが入るとそりゃ最初は受け入れるの難しいよ。でも、そういうのって時間が経つと勝手に吸収されるものでしょ？』

立ち上がって遊具の上に立つ。

バランス取るの難しいな。

『最初はできなくて当たり前。出来る出来ないじゃなくって、出来ないを時間を掛けて出来るに変えればいいんだよ。必要なのは少しの好奇心と少しの勇気』

小さな切り株から高い遊具に飛び上がる。

『出来なかったことが出来るに変わる瞬間、ちょー気持ちいいよ！』

滑り台を滑ってベンチに置いたカバンを背負う。

『ま、決めるのは仁花だよ。私は毎日教室で会えるから十分。答えっていうのは偶にポンって出てくる事あるから、変に考えず流れに身を任せるのがおすすめ』

帰ろっか。と二人並んで帰路につく。

仁花をマンションに送り届けて家に帰る。

『...眠たい』