やっちゃんガチ勢は天才説 (ページ31)

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30話ページ31

『伊達工、鉄壁なだけあってでかいですね』

西谷「ローリング！サンダー！アゲイン！！」

“アゲイン”付いた。進化版だ。

どこがどう進化したかよく分かんないけど。

西谷「前だけ見てけよ！背中は俺が守ってやる」

かっけえぇぇぇ！！！漢気の塊かよ！！

今ので雰囲気が完全に戻った。

公式ウォーミングアップが終わると一試合目同様、私は観客席に上がる。

伊達工のブロックは頑丈で安定している。

リードブロックなのに姿勢を整えるのが早い。

『ギュンの方だ！！』

ギュンは翔陽がボールを見ずに打つ速攻。

『ナイスキー！！』

今ので会場が湧いた。というかビビった。

いいぞ、それでいい。

混乱の声をあげる人が多ければ多いほど、混乱に巻き込まれる。

点差は動かないまま点数は増えていく。

伊達工のタイムアウトが終わり選手がコートに入る。

翔陽を警戒しているのが分かるほど空気がピリついた。

「十番を止めればいいよな」

「確かに」

周りがそう思ってるなら十分。

“最強の囮”の出番だ。

嶋田「おせぇーよ。終わってたらどうすんだ」

「良かった。男子の二回戦まだやってる」

烏野の観客席側に来たのは烏野の女バレと嶋田さんたちだった。

『こんにちは！』

「こんにちは！マネージャー？」

『はい！』

「可愛い〜！」

『先輩たちほどじゃないですよ』

「いい子すぎる」

少し話してからコートに視線を戻す。

翔陽の速攻が止められた。

『もう一本！』

また止められる。が、ノヤっさんが拾った。

『ｯ〜...ノヤっさぁーん！！！』

まじでかっけぇよノヤっさん！！

翔陽がもう一度飛んで、ブロックは完全に釣られた。

翔陽が振りかぶった後ろから、エースのバックアタック。

『ナァイスキィーー！！！！』

見たか！！これが最強の囮だ！！

烏野は完全に波にノり、一セットをとった。