やっちゃんガチ勢は天才説 (ページ28)

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27話ページ28

日向「もう一回！！」

猫又「ああそのつもりだ」

二試合、三試合と競ってはいるが全て負けてしまった。

これは完全なる完敗だ。

『私、椅子片付けて来ますね』

清水「ありがとう。一人で大丈夫？」

『平気っす！』

音駒の方はもう片付けているみたい。

椅子を持って倉庫に行くと田中先輩とモヒカンさんが握手してた。

熱い友情が生まれたことだけは分かる。

田中「虎！ちなみにこいつもマネージャーだ！」

山本「何っ！？選手じゃなかったのか！俺は女子になんて事を！！」

『慣れてるんで大丈夫っす！』

背中をバンバンと叩きながらドヤ顔をかます田中先輩。

地味に痛い。

山本「あ、あの。名前、なんて言うん...ですか」

『ふはっ、不破Aです。一年なので敬語はなくて大丈夫ですよ！スパイクめっちゃ凄かったです！』

やべ、吹いちゃった。

モヒカンがモジモジしてんの面白いんだもん。

山本「あ、あああありがとうございます！！」

田中「お前そういうところだ」

『何がですか？』

とりあえず倉庫の中で土下座はやめて欲しい。

倉庫は埃がすごいから。

『虎？さん？とりあえず立ってください。倉庫はホコリが多いので汚れますよ』

山本「はぅっっ！！！」

田中「よくできた後輩だ」

片付けが終わり体育館を出る。

猫又「A、久しぶりだな」

『はい？』

なんで私を知ってるんだこの人。

会ったことあったっけ？

猫又「覚えてないか。冬真に着いてよく音駒に来てただろ？」

お父さんに？

それだと私は小学校の低学年くらいだが。

『あ、あー！！猫のおじいちゃん！』

直井/烏養繋「んぶっふ...」

武田「不破さん！？」

あ、やっちゃった。いやでも間違ってはない。

猫又先生がコーチ二人を睨む。

烏養繋「ん"ん"...」

直井「ゴホンゴホン...」

気づかなかった。というか覚えてなかった。

私が関東にいた時、お父さんが母校によく遊びに行っていたから私もついて行っていた。

今は離婚して母方の実家の宮城なんだけどね。

今でも仲はいいよ。

猫又「大きくなったなぁ。写真撮ってやる」

『ん？』

理解が追いつかないままシャッター音が聞こえた。

猫又「じゃあな。冬真に送っておく」

『はぁ...』

頭をガシガシと撫でられる。

子供扱い過ぎやしないか？

キャプテンの挨拶でＧＷの合宿最終日。

練習試合を終えた。