やっちゃんガチ勢は天才説 (ページ12)

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11話ページ12

「今年からバレー部顧問の武田一鉄です！」

絶対真面目だこの人。そんで怒ったらめっちゃ怖い。

土下座が得意らしい。

大丈夫か？色々と。

武田「ただ条件があってね。“影山君をセッターとしてフルで出すこと”」

田中「なんスかそれ？舐めてんすか？ペロペロですか？？」

確か青城って北一のほとんどが行くって聞いたことがある。

多分飛雄の代もいるだろう。

この条件、及川さんが出したのかな。

同じ学年がいれば飛雄が自滅するかもしれないと思って。

あの人性格悪そうだもんなー。

帰り道、坂ノ下商店でお菓子を買っていると店の前で、菅さんと飛雄が何やら真剣な顔で話していた。

『あれうちの部員』

「いや知らねぇよ」

店番をしている烏養繋心は、けっ、とタバコの煙をふかした。

この店は学校の帰り道にあるからよく使う。

だからこのヤンキーみたいな烏養さんともそれなりに話すようになった。

烏養繋「いつまで悩んでんだよ」

『ちょっと待って。今財布に言う事聞かせてるから』

烏養繋「頭大丈夫か？」

『おし決めた！唐揚げ棒三本とアメリカンドッグ二本。あとこのお菓子ね』

品棚から持ってきたお菓子をレジ台に置く。

烏養繋「...お前どんだけ食うんだ」

『早く！！』

烏養繋「るせぇ！」

横にある椅子に座ってレジ打ちを待っていると自動ドアが開いて大地さんが入ってきた。

大地さんはレジ台にある商品と私を見比べて、私ではなく烏養さんに聞いた。

澤村「あの、これ全部、不破が買ったんですか？」

烏養繋「ああそうだ。ったく、ちゃんとした飯を食えってんだ」

『まだー！？』

烏養繋「だからうるせぇ！お前の商品で時間かかってんだ！」

ぶーぶーとブーイングをしながら椅子を揺らす。

烏養繋「ほらよ」

唐揚げ棒とアメリカンドッグ、お菓子を分けて袋に入れてくれた。

こういうとこ人として好感持てるわぁ。

そして私はお菓子の入った袋を見て呟く。

『え、私こんなに買ったの？？』

烏養繋「馬鹿か」