吸血鬼様は人間を激愛する。【2BRO.】 (ページ21)

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20話ページ21

『あれ、今日どこかへ行くんですか？』

弟「あー･･･そうそう。ちょっと人間界にね。Aちゃんの血は採血してボトルに入れていくけど。」

ピシッとスーツを決めて採血中の私に話を持ちかける。

『そんな大変なお仕事なんですか？』

弟「まぁ･･･お金も無いから人間界で探偵やってる。そりゃあもう大変」

『私、お留守番･･･ですかね』

ちょいと上目遣いになる、ごめんなさい。
身長の差があり過ぎて背伸びしても肩くらいだろう。

弟「ニンニクと十字架持っとけば大丈夫だよ」

『あ、そうですよね！でもあの二人に悪いことしちゃうんじゃ･･･』

弟「その前に逃げるでしょ。あの二人だって人間を殺すなんて残酷な事はしないからね。優しいんだよ俺みたいに」

遠目で話す弟者さんにはぁ、しか声が盛れなかった。
今にも怖さでがたがたと震えそうだった。

弟「じゃあ俺がおまじないをかけてあげよう、君が襲われませんようにって」

『おまじない？』

弟「･･･ちょっと目つぶってね」

『は、はい･･･?』

弟者さんの言葉に少しだけ恐怖を感じながらもその場にいるということはまだ分かる。

チュッ。

弟「それじゃあ行って来まーす」

『っ！？い、行ってらっしゃい･･･ませ。』

あれはずるいでしょと言わんばかりに床にぺたっと座り込んだ。
口元を指でなぞると一瞬で私は顔に火がついた。