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華の町_06 ページ6







光「では、そろそろ準備を」



光姐さんが準備をしに部屋を後にした



それに続いて侑李以外の新造達も中田屋に気を使って部屋を出ていく。



こうして部屋に残されたのは侑李と中田屋だけになった





何か話さなくては…



客を相手に怖気づいてはダメだ。


いくら新造でも、ここは吉原

お客様を楽しませなくてはならない



侑李は決心して中田屋の方へ向き直した。




侑李「いつもありがとうございます。それにしても何故中田屋様はわっちを選んだのですか?」




それは話の内容として無難なものであって、しかも侑李自身このことは聞いておきたかった。




「何故だと?そんなものお前が好きだからに決まってるではないか」


侑李「好き…ですか?」


「あぁ、もちろん。お前の為なら身請けしてやっても構わぬ」



そう言って中田屋はにこにこと近付いてくる



侑李「それは嬉しいお言葉です。でもわっちの何処が好きなのですか?」


「何処?だと。くははっ。わがままなやつだなぁお前は」




ぐいっ



そう言うと中田屋は侑李を引き寄せ胸の中に納めて話し出す



「お前のその目、透き通るような白い肌…」



そう言いながら中田屋は侑李の首を手の甲でなぞり始める。



「細くて綺麗な脚…そしてあどけなさが残るこの唇」


侑李「…んんっ!」



今まで足をなぞっていた手が侑李の両手を掴んだと思った瞬間



侑李の唇は中田屋の唇で塞がれていた。



恐怖で固まる侑李は目を見開き口内をおかしていく中田屋の気持ち悪くぬるっとしたものの感触に怯えている



そしてそんな侑李をいいことに中田屋の手は着物の中へと吸い込まれていく



しかしその時、



光「中田屋様っ!」



準備を終えてやってきた光が2人の有り様を叫んだ



「おぉ、光か…。お前が遅いのでな、ちと侑李を吟味していたところだ」


光「はい、そうでしたか…。でもきまりを守ってもらわなくては困りますよ?今宵の中田屋様の御相手はわっちなのですから、他の遊女にうつつを抜かさないで下さいね」



そう言って優雅に笑うと光は中田屋を連れて出ていった。


残された部屋でまだ呆然と宙を見上げる侑李の目には涙さえ浮かんでいなかった



ただ、

もうあんな経験はしたくなかった。





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たいやき(プロフ) - 初めて読んだ設定で、とても面白かったです!やまちねは尊いです(*^O^*)これからも頑張ってください! (2019年10月30日 20時) (レス) id: 2edd79c1bf (このIDを非表示/違反報告)
知岡 李椏(プロフ) - mklove0714さん» 返信遅れてすみませんm(_ _)m私事って言うかお仕事って言うかなんて言えばいいかわからないですけど、まぁ忙しい日々が続きまして。早めに更新するので待ってて下さい! (2019年6月2日 0時) (レス) id: 8b3eb70ba5 (このIDを非表示/違反報告)
mklove0714(プロフ) - ぜひぜひお願いしますっ、、!!! (2019年5月31日 0時) (レス) id: 9e814b8d61 (このIDを非表示/違反報告)
知岡 李椏(プロフ) - mklove0714さん» ほんとですか!?嬉しいです(T_T)出来たらそのあとのお話もおまけとして書きたいと思います! (2019年5月30日 22時) (レス) id: 8b3eb70ba5 (このIDを非表示/違反報告)
mklove0714(プロフ) - コメント失礼致します。めちゃくちゃ良いお話でした!!!その後…みたいなお話を見たいです(*^^*) (2019年5月30日 22時) (レス) id: 9e814b8d61 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:知岡李椏 | 作成日時:2019年5月30日 13時

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