華の町＿30 ページ30
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大貴「あんな事はよくある事だ。気にすることない」
侑李「でも…、」
大貴「じゃあ兄の方が大切か？今お前には誰よりも大切な人がいるだろ」
そう言われるとそうだ。
侑李には今一番大切な人がいる
大貴「お前は幸せになるべきだ」
「ずっと耐えてきたんだから」と大貴は館の入口を開けながら言った。
侑李は大貴に言われて気づいたのだ。
今までこんな檻の中で生活していた中、兄さんは外の町でお母と暮らしていたんだと
そして再会して帰ろうなんて嫌に決まっていた
だから侑李は大貴に向かってうんと縦に振った。
すると大貴は「よし、じゃあこれ。涼介さんからお前にって渡された着物だ。これ着て、お前は自由になれる」と渡された着物は黒と桃色を貴重とした珍しいデザインのものだった。
侑李はその着物を手に持ち無意識に「綺麗…」と呟いた。
「さ、侑李、手伝いますよ」
と光が現れて、涼介さんが侑李にとくれた着物に着替え、頭には光の簪と共に涼介さんからも頂いた光沢のあるものを付けた
光「侑李、その簪ずっと大事にしてくれてたんだね」
侑李「ここまで来れたのも姐さんが居たからだよ。この簪を見ると元気を貰えたの」
光「そうかい。本当に大きくなって。寂しくなるけど涼介さんと幸せにね」
準備が出来た時、光は少しだけ表情を曇らせたが、すぐに笑顔になった
侑李は最後まで、光の事を姐さんと呼んだ。
花魁になろうとも、侑李は光の事を姐さんと呼びたかったのだ
いつでもそんな関係にありたかったんだ
外で待っていた涼介さんの前に侑李が現れた時、雄也姐さんは「涼介さん侑李をよろしくお願いします」と言った
侑李「涼介さん」
涼介「…似合ってる」
その言葉に侑李はとびきりの笑顔を向けた。
その笑顔に涼介さんの耳が紅く染まっていたのは見間違いだろうか
「侑李さん、わっちらは感謝しています」
「侑李さんのおかげでここで働くわっちらは鼻が高いです」
「立派な花を咲かせてくれて、ありがとうござんす」
館の皆は侑李には感謝してもしきれなかった。
大貴「元気でな」
光「侑李、ありがとう」
雄也「幸せにな」
侑李「はい、皆さん、今までお世話になりました」
そうして侑李は、用意されていた馬車に涼介さんと二人で乗り込んだ。
走り出した馬車を、光達はずっと見守った。
侑李は、館を目に焼き付けながら、涼介さんと幸せの一歩を踏み出したのだ
―――fin．
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たいやき(プロフ) - 初めて読んだ設定で、とても面白かったです！やまちねは尊いです(*^O^*)これからも頑張ってください！ (2019年10月30日 20時) (
レス) id: 2edd79c1bf (このIDを非表示/違反報告)
知岡 李椏(プロフ) - mklove0714さん» 返信遅れてすみませんm(_ _)m私事って言うかお仕事って言うかなんて言えばいいかわからないですけど、まぁ忙しい日々が続きまして。早めに更新するので待ってて下さい！ (2019年6月2日 0時) (レス) id: 8b3eb70ba5 (このIDを非表示/違反報告)
mklove0714(プロフ) - ぜひぜひお願いしますっ、、！！！ (2019年5月31日 0時) (レス) id: 9e814b8d61 (このIDを非表示/違反報告)
知岡 李椏(プロフ) - mklove0714さん» ほんとですか！？嬉しいです(Ｔ＿Ｔ）出来たらそのあとのお話もおまけとして書きたいと思います！ (2019年5月30日 22時) (レス) id: 8b3eb70ba5 (このIDを非表示/違反報告)
mklove0714(プロフ) - コメント失礼致します。めちゃくちゃ良いお話でした！！！その後…みたいなお話を見たいです(*^^*) (2019年5月30日 22時) (レス) id: 9e814b8d61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：知岡李椏 | 作成日時：2019年5月30日 13時
