ヘンデルとグレーテル5*沢村栄純と小湊春市 ページ16
でも、倉持の親切は嘘でした。
本当は、子供たちを待ちぶせている恐ろしい悪魔だったのです。
あのパンの家も、子供たちをおびき寄せるためでした。
次の日の朝はやく、悪魔は2人が目を覚ます前にもう起きていました。
眠っている子供たちを眺めながら、口をもぐもぐさせていいました。
倉持「ヒャハハ こいつは、おいしい料理になりそうじゃねーか。」
悪魔は、エージュンを抱きかかえると、小屋に運びました。
戸を閉めて、鍵をかけました。
目を覚ましたヘンゼルは、泣いたり、わめいたりしましたが、まったくの無駄でした。
悪魔は、再び子供たちの寝室へ戻り、ハルイチを起こして、大声でいいました。
「さっさと起きろ。アイツをふとらせるご馳走を作るぞ。そして、太ったら、俺が食ってやる。」
ハルイチは、わっと泣き出しましたが、いくら泣いてもどうにもなりません。
恐ろしい魔女のいいなりになるしかなかったのです。
かわいそうなエージュンのために、ご馳走ができましたが、ハルイチに与えられたのは、かにの殻だけでした。
悪魔は毎朝、小屋に行って、
「エージュン、指を出せ。どのくらい脂がのってきたか調べてやる。」
エージュンは、指のかわりに、転がっていた小さな骨をつきだしました。
目の悪い悪魔は骨とも気がつかず、どうして脂がのってこないのか、不思議で仕方ありませんでした。
こうして、ひと月がすぎ、ヘンゼルの指は、いつまでたってもかたくてやせたままでした。
悪魔は、ハルイチに向かって怒鳴りました。
倉持「おい、水をくんでこい。アイツ太ってようが痩せてようが知らねー。
明日こそ、料理してやっからよ。」
それを聞いて、ハルイチは天を仰いで嘆き、涙を流して悔しがりましたが、仕方なく、水を運びながら叫ぶように言いました。
「神様、どうか、僕たちを助けて。こんなことになるなら、森の中で、獣に食われて死んだ方がましです。」
倉持「うるせーから叫ぶな!!」
悪魔がいいました。
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満海 - 稲城の城が代になってました。 (2016年6月25日 19時) (レス) id: b0693f5649 (このIDを非表示/違反報告)
ユノ@新旧二遊間Love(プロフ) - なぽる@二次元逃避さん» 遅くなるかもしれませんがOKです! (2015年9月22日 22時) (レス) id: 665f2a4ef1 (このIDを非表示/違反報告)
なぽる@二次元逃避(プロフ) - あ、小湊兄の方の二遊間で^_^ (2015年9月22日 18時) (レス) id: e4d1eecb93 (このIDを非表示/違反報告)
なぽる@二次元逃避(プロフ) - はじめまして!これ超絶面白いです( ^ω^ )そして、リクエストお願いします!赤ずきんを二遊間コンビで!お願い出来ますか? (2015年9月22日 18時) (レス) id: e4d1eecb93 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶(プロフ) - 了解です( ̄^ ̄)ゞ (2015年9月10日 17時) (レス) id: 3ab10a022f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユノ@新旧二遊間Love | 作成日時:2015年9月6日 0時