〈◇〉ダイヤのおとぎ話

ヘンデルとグレーテル3＊沢村栄純と小湊春市 ページ14

これを知ったエージュンは、二人が寝るのを待って、小石を拾いに行こうとしました。



ですが、おかみさんがドアに鍵をかけてしまい、外へでることもできませんでした。


次の日、朝早くやってきたおかみさんは、この前のときよりずっと小さい一切れのパンを渡すと、森へ急がせました。





行く道々、エージュンは時々、立ち止まって後を振り返り、そのたびに、ポケットの中のパンを千切って地面へ投げました。






雷蔵「エージュン、どうしたんだ。」





エージュンは昨日と似たようなことを言いました。



そして、エージュンは、パンがなくなるまで、次々土地面へ投げ続けました。



おかみさんは、子供たちを今まできたこともない森の奥へ連れて行き、前と同じように、大きなたき火をさせました。





A「お前たち、ここに座っておいで。疲れたら少しぐらい眠ってもいいよ。

お父さんとお母さんは、木を切りに言ってくるから。仕事がすんだら、迎えに来るからね。」





2人は、一切れのパンを分け合って食べ、それからまた眠り込んでしまいました。


夕方が着ても、子供たちを迎えに来るものはいませんでした。



二人は、夜中になって、やっと目を覚ましました。





沢村「月が出たら、俺の投げてきたパンが見えるからな!そうすれば、帰り道がわかるぜ!!」





月が昇ると、二人は歩き始めました。でも、どうしたのか、パンくずはどこにも見当たりません。


すると、ここでハルイチが気づいてしまったのです。




春市「エージュンくん。パンくずって食べられちゃったんじゃない?」






そうなのです。森や野原の鳥たちが、1つ残らずパンくずを食べてしまったからです。




2人は夜中歩き続けました。

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