また、逢えるよ。 (ページ11)

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瞬き一つする時には、既に彼は去っていた。もう少し、彼を見ていたかったな...
でも、後で逢えるからいいか。

そんなことを思って、蓋を開けていたグランドピアノに蓋をして、そばにあったタオルで鍵盤を拭く。
何故って？ついた指紋の汚れを取るためさ。
汚れてしまったままでは、次弾く時に嫌になってしまうだろう？

タオルを元の場所に置いておこうとポケットにしまって、僕は移動する。

きっと、彼の父親...碇ゲンドウに彼が逢う時に、エヴァ、基第13号機のことについても軽く話されるだろう。軽く。

その時ついでに紹介されるのだろうな...最も、彼等にとっては僕は駒同然だろうけど。

確かに前回みたいなこともあったさ。...またDSSチョーカーがしてあって同じ末路を辿ってしまうと思う。でも、些細な変化を見逃さずにいけば、今度こそ、いけるかも...。

もう少し仲良くなりたいな...せめて。
前回は少し親密に...いやでもどうだったんだろう。本人そう思ってないかもしれない。

下の名前で呼んでくれるくらいには仲良くなれたけど...最期に言った言葉は、大切な人...綾波レイのような感じというよりも“傍にいてくれて多少は信頼できるが、何処となく壁を作ってしまう人”みたいな...うーん。
何だか、無邪気...いや、酷すぎた僕の頃よりはましだけど、それは...うん。

また前回の教訓を生かして、彼にちゃんと信頼してもらえる人...いや使徒になりたいな...。

　

ーほら。また、浮かれてしまっている。ー