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あれからかなりの月日が経った

「ママ、これなあに?」

娘が小さい手であの頃の思い出の品を掴む

「それはね、大事なものなんだよ」

「だいじなもの?」

うん、と言って微笑む

懐かしいなあ、あの頃はこれをもらうために必死になってたんだっけ

「わたしにももらえる?」

こてん、と首を傾げる仕草はどこか少しだけあの人に似ている

「どうだろう、でも貰えるといいね」

何年か後に同じように素敵な思い出を作って欲しいな

私がそうだったように

「ただいま」

「「おかえりなさい!」」

娘と一緒に玄関まで迎えに行く

「見てパパ!これママのだいじなものなんだって!」

得意げに見せる娘に呆れる夫

「君…まだ持ってたの?」

「だって捨てられる訳ないじゃん」

あの事がきっかけで月島と付き合えて、結婚もできて今があるんだから

「ほんっと君って馬鹿だよね…嫌いじゃないけど」

「そこは好きって言ってよ」

わざといじけるように言うと

はいはい分かったよ、と言うように

「愛してるよ、A」

と耳元で囁く

「好きで充分ですー」

「え?愛してるが欲しかったんデショ?」

「もう…馬鹿」

軽く叩くと娘が待ちきれないように言う

「ママー、ご飯まだー?」

「もうできてるよ」

娘の好きなメニューを机に並べて行く

蛍は何か言いたげに私を見つめる

「ちゃんとショートケーキも買ってきてあるよ」

「よかった、記念日覚えてたんだ」

安心している蛍の隣に座ってご飯を食べ始める

「「いただきます」」

食卓を囲む私たちの幸せがずっと続きますように

そんなことを思いながらテーブルの端にある第2ボタンを眺めた




ーFin

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設定タグ:ハイキュー , 烏野 , 月島蛍   
作品ジャンル:恋愛
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ましろ(プロフ) - ツッキー初めてだったので上手く書けたか不安だったのですがそう言っていただけて安心しました笑読んでくださってありがとうございました! (2018年3月31日 23時) (レス) id: ebaf14928f (このIDを非表示/違反報告)
しらす - ツッキーの意地悪さがいい感じにでてて、キュンキュンしました(*´ ˘ `) (2018年3月28日 0時) (レス) id: 4a27ea5fc0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ましろ | 作成日時:2018年3月9日 17時

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