瀬見先生は重度の世話焼き【瀬見 英太】

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放課後になり帰り支度を済ませて

寮へ帰ろうとしたのだが

「あ、ちょうどいいところに！霜鳥これ資料室まで運んどいて！」

と先生に言われ

手に謎の資料？かなにかを渡された

「私係じゃないんですけど」

「係の子帰っちゃってさー、いつもごめんな霜鳥！じゃ、頼んだ！」

そう言ったかと思えば職員室へ向かって 走り出す

先生、廊下は走っちゃダメなんですよ

そんな注意が聞こえるはずもなく

ばたんっと職員室の扉が閉まった

「結局また雑用か…」

はあ、と小さく溜息をついて資料室へ向かう

これで何回めだよほんと

係の人帰りすぎだよ残れよ

ぐちぐちと言っていてもキリが無いので諦めてドアを開けた

埃っぽい空気

やっぱりここは苦手だ

早いとこ片付けてさっさと帰ろう

そう思ったのだが置く場所が分からない

「困ったな…」

床を覆っている資料を少しずつ退けて道を作る

誰か掃除しろよっていつも思う

がさがさと床に落ちているものを漁っていると

あるものにふと目がとまった

「これって…先生？」

男子バレーボール部 ◯◯杯 優勝

3番のユニフォームを着ている少年は

まごうことなく高校時代の瀬見先生だ

だって番号のところに瀬見 英太って書かれてるし

何よりあのときと笑顔が変わらないし

「ほんっとイケメンってムカつく」

ぴしっと先生の顔をデコピンしてから

その額に入った写真を持って職員室へ向かった

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