瀬見先生は重度の世話焼き【瀬見 英太】

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どんっと目の前に置かれた紙の束

そしてホッチキスを二個手に持つ引きつった笑みの瀬見先生

これは…どういうことだ

「先生」

「はいっ！」

なんでお前が敬語なんだよ、と言いそうになるが頑張って抑える

「生徒に重労働させて…何が楽しいんですか？」

ゆらあと効果音のつきそうなほどドス黒いオーラを放っているであろう私

それにびびる先生

「たっ、楽しいとかそんなんじゃねえよ！学年主任の先生に頼まれたんだよ！…それで断れなくって」

ほんとこっちがびびるくらいお人好しですね

そんぐらい断れよ…って先生なら断れないか

「それで？何故毎回毎回私を駆り出すんですか？私に恨みでもあるんですか？え？」

ネクタイをぐいーっと引っ張ると流石にたじろいだ、のだが

「お前近くで見るとめちゃくちゃ顔整ってんな…綺麗…」

キラキラした目で私の頰に手を伸ばす先生

の手をぱしっと叩く

「黙れこの変態」

「いって…ってか変態って…」

「そんなんで私を誤魔化せると思うなよ」

「思ってねえし…ほんといつもいつもごめんな？」

私は素直に謝られるのに弱い
先生がそれを知っているのかは分からないけど

「別に人助けですからいいですけど」

よかった！と安堵の表情の先生に要求する

「そのかわりアイス買ってくださいね、この前出た新作のやつ」

「おう…あ！お前それ高いやつじゃねーか！…まあいつもお手伝いしてくれてるからいいか」

「いいんですか！？」

頼んだくせになんで驚いてんだよと私の驚いた声に驚く
ややこしくなるからやめてもらえませんかね

それに買ってくれるとは思ってなかったから、なんて言ったら絶対買ってもらえないだろうし

「じゃあちゃっちゃと終わらせましょう」

先程の様子とはまるで違う私を見て呆れる先生

「お前ほんと現金なやつなのな…早く終わらせるか」

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