検索窓
今日:13 hit、昨日:17 hit、合計:190,874 hit

物音. ページ9

.




「すごい!とっても美味しそうですっ」


『本当?ふふっ、ありがとう』




出来上がった料理を見て、満面の笑みを浮かべるアオイちゃん。
毎日患者さんのご飯を作る彼女には劣ると思うけど…我ながら良く出来た方ではないかな、うん。




「あとは私がやりますので、Aさんは水柱様の所へ行ってあげて下さい」


『え、』


「しのぶ様に無理やり注射されて、拗ねてらっしゃると思いますよ?」




そう言われると…むっと口を尖らせる義勇さんの姿が容易に想像できる。早く迎えに行かないと、明日の朝まで機嫌を損ねたままかもしれない。




『そうね…お言葉に甘えて』


「はいっ、今日は本当にありがとうございました!」




割烹着を返して、義勇さんが待っているであろう部屋へ向かう。
途中、一番大きな病室の前を通れば多くの人が寝台で眠っていて。本当に大変な状況なんだなぁ…と改めて思い知らされる。

あとでしのぶさんに手伝える事がないか聞いてみようか、なんて考えながら歩いていると。




『…ん?』




通り過ぎた部屋から、カタカタと音が聞こえて。




『病室、なのかな』




しばらく部屋の前に立っていると、やっぱり何かの音がする。
もしかして……動けない患者さんが誰かを呼んでいるのかもしれない。

そう思いながら、躊躇いなく扉に手を伸ばした。




.

幸せだったあの頃.→←嘘も方便.



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (222 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
484人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Hana :*・ | 作成日時:2020年7月9日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。