検索窓
今日:9 hit、昨日:6 hit、合計:190,853 hit

赤面. ページ35

.




ひらひらと舞う蝶の間をすり抜けて。
いつものように包帯や塗り薬を貰いに来た日のこと。

しのぶさんから頂いた紙袋を手に廊下を歩いていると、病室から賑やかな声が聞こえて。
そっと覗いてみれば、久しぶりに見る炭治郎くんたちの姿があった。




「あ、Aさん!」


「Aさぁぁぁん!
俺に会いに来てくれたんだねぇ、そうだよね!」


「うるせぇぞ紋逸」


『久しぶりだね。その…怪我してるみたいだけど、元気そうで良かった』




そう言いながら三人の顔を順に見比べる。
頭に包帯が巻かれていたり、顔中に絆創膏が貼られていたり、足を固定されていたり…。
かなりボロボロな見た目だけど、いつもと変わらない様子に少しばかりほっとする。

そんな私を見て、炭治郎くんは何やら考え込むように顎に手を当てて。




「Aさん、もしかして…」


『ん?』


「冨岡さんと、その…こ、恋仲になったんですか?」


『…え、』




突然すぎる問いかけに、思わず固まってしまう。
そして…あまりにも的確すぎるその内容に、ぽっと顔が熱くなる感じがした。

…そういえば、炭治郎くんは鼻が利くんだったっけ。




『そ、そんなに変な匂いした…?』


「いえ!そうじゃなくて!
その、とても幸せそうな匂いがしたのでっ」


『そっか…ふふっ、やっぱり炭治郎くんに隠し事は出来ないね』


「おい権八郎、恋仲って何だ」


「お互いに恋をしてる間柄って意味だよ。
つまり、冨岡さんとAさんは相思相愛って事だ」


「がはは!俺様の言った通りじゃねぇか!
俺様は最初からこいつが半々羽織の女だって分かってたぜ!!」




ふふんと鼻を鳴らす伊之助くんに、何だか急に恥ずかしくなって。すっかり赤くなった頬を両手で挟めば、今度は善逸くんが顔を赤くする番だった。




「いやぁぁぁ!え、嘘でしょ!!確かに幸せそうな音したけどさぁ!いくら何でもそりゃないよぉぉ!」




.

いつか.→←想い通じる.



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (222 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
484人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Hana :*・ | 作成日時:2020年7月9日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。