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それはある日の体育の授業でのこと。
時間割の関係上、私たちは一年の後輩達と一緒にグランドを使うことになった。
こうやって間近で後輩達の顔を見るのは初めてに等しい。
生まれてきたのが1年遅いだけなのに、純粋に生きてる感じが今の私との差を感じさせた。
暫くして、授業が始まり
私たちの学年が休憩になったのと同時に、後輩達の試合が始まった。
みんな、恋してるんだろうなぁ・・・
がむちゃらにサッカーをする女の子達を見てそんな事を密かに思っていると
−−−−バタンっ
小柄な女の子が派手に転けた。
周りはザワザワしだし、足を抑えてるその女の子・・
明らかに捻挫したのは見え見えだった。
先生達も駆け寄り、その子に大丈夫か?と声を掛けていたが・・
それとは全く別の聞き慣れた声で「立てるか?」と聞こえた時、私の何かは苦しくなった。
「は・・はいっ大丈夫ですッ」
岸「嘘つけっ!立てねぇだろ!!」
それは紛れもなく岸くんで・・
岸「ここに捕まれる?」
自分の首にその子の腕をまわし・・
岸「よいしょっ」
岸くんは軽々とその子をお姫様抱っこした。
キャーと聞こえるのはいつもに増してとても分かりやすい甲高い声。
それと同時に、その子の顔はリンゴのように赤く染まっていた。
「す・・すみませんっ」
岸「いいっていいって!!気にする事じゃないって!」
にっこり優しく微笑む君の顔に偽りはなくて・・
ああ、あれは岸くんの素の優しさなんだと。
それが分かった時、私の胸は苦しさでいっぱいになる。
「岸って年下似合うよなぁー」
「アイツがガキだからな!」
どっからか聞こえてきたそんなどうでもいい話、。
それなのに何でこんなに不安がわたしを襲うなだろうか・・
あの子に岸くんを、取られてしまうんじゃないかって・・
自分にそれを拒否る権利は全くないのに・・・
岸くんに嫉妬する権利なんて、持ち合わせていないのに、・・・・
私は欲張りで最低だ。
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まい - 岸くん。。。きゅんきゅんでした!素敵なお話ありがとうございます!! (2023年1月3日 0時) (レス) @page31 id: e5435e7bdd (このIDを非表示/違反報告)
すかい - とても素敵な作品でした。ありがとうございました^ - ^ (2020年3月14日 21時) (レス) id: c9cd880fe4 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 切ないながらも、ハッピーエンドに繋がって良かったですね。付き合った後のストーリーも読んでみたいです。よろしくお願いします。 (2019年5月1日 22時) (レス) id: 5ca5d758c8 (このIDを非表示/違反報告)
えり - とっても面白くて一気に読んでしまいました。ハッピーエンドで良かったです。 (2019年2月24日 23時) (レス) id: d711019fff (このIDを非表示/違反報告)
bobrobert0830(プロフ) - 申し訳ありません。呼び捨てで投稿しちゃいました。muhe様の作品を楽しみにしております。 (2018年11月17日 23時) (レス) id: 79705ce3c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年6月11日 21時