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「もうカラオケでパーッと発散しよう!!」
マラカスとタンバリンで準備は万端。
・・なのに
「せっかくだから順位競お?」
1人のとんでもない一言にわたしは静かに苦笑い。
「あ、いいじゃんっ!負けたやつ罰ゲームねっ」
『え、ちょっ・・なんでそうなるのッ!』
「はいっ決まりー!!」
こいつら、分かってて言っている。
わたしが唯一苦手とする分野は歌うこと。
音程の安定感がなければ声量もない。
そして盛り上がりにひとつ欠ける・・
もう、歌わなくてもビリは確定・・そんなところだ。
この子達の考えることはかなりぶっ飛んでいるから・・あまり乗り気じゃない。
みんなが楽しく歌う中、わたしはマラカス片手に顔を曇らせていた。
「はい次、Aの番だよー!」
無理やりマイクを持たされる。
これで何を歌えと言うのだろう・・
−−−−数分後。
「はいっAの負け〜」
「罰ゲーム決定ね!」
わたしは見事にビリという枠を手に入れてしまった。
『最悪だ』
「そう気を落とさないでっ」
みんなの満面の笑みがただただ怖くて仕方がない。
『罰ゲームってな、・・なに』
恐る恐る聞けばとんでもない言葉が返ってきた。
「男子に告るっ!」
『はぁぁあああ?!』
意味がわからない。
好きな人がいる訳じゃないのに・・何のためにそんな事をしなければならないのか
ああ、そうだ。
我に返って気を落とす。
そうだよ、これは罰ゲームなんだ。
何がどうこう文句を言ったところで、罰ゲームという言葉のバリアで見事に防御されている。
『まず、告ったことないんだけど』
「1回くらい経験しとかないとっ!」
いや、だからといって普通、罰ゲームでやらせないでしょ
しかもこれと言ってピンとくる男子もおらず、普段からあまり喋らないのもあってか
自然と告ったあとの事は想像ができる。
『好きな人に振られるならまだしもッ、』
「だって罰ゲームだもん」
でたよ、はいその言葉。
罰ゲームだから、と言ってしまえば綺麗なまとまりをもつ。
ほんと、邪魔くさい言葉だ。
「ちなみに告る相手だけど」
わたしには告る相手を決める権利すらないようで・・
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まい - 岸くん。。。きゅんきゅんでした!素敵なお話ありがとうございます!! (2023年1月3日 0時) (レス) @page31 id: e5435e7bdd (このIDを非表示/違反報告)
すかい - とても素敵な作品でした。ありがとうございました^ - ^ (2020年3月14日 21時) (レス) id: c9cd880fe4 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 切ないながらも、ハッピーエンドに繋がって良かったですね。付き合った後のストーリーも読んでみたいです。よろしくお願いします。 (2019年5月1日 22時) (レス) id: 5ca5d758c8 (このIDを非表示/違反報告)
えり - とっても面白くて一気に読んでしまいました。ハッピーエンドで良かったです。 (2019年2月24日 23時) (レス) id: d711019fff (このIDを非表示/違反報告)
bobrobert0830(プロフ) - 申し訳ありません。呼び捨てで投稿しちゃいました。muhe様の作品を楽しみにしております。 (2018年11月17日 23時) (レス) id: 79705ce3c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年6月11日 21時