罰ゲーム ~Yuta.Kishi~

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『･･なんで、廉くんが出てくるの、？』








君には分からないのだろうか･･








私がこんなにもあなたの事で頭をいっぱいにしているのに









悩んで迷って苦しんでるのに








どうして気付いてくれないのだろう。








どうして私は気付けなかったのだろう、。









岸「カッコいいって、言ってたから」








プリント用紙を見つめたまま、君はそんな事をボソッとつぶやいた。








『確かにそうは言ったけど･･そういうんじゃないよ』








どんなに言葉を濁したって彼には伝わらない。








もどかしいこの感覚が嫌で嫌で仕方がなかった。









『岸くんは、？あの子と上手くいってるの？』








岸「いや、･･別に」








そんな歯切れの悪い返しをされると、余計に諦めがつかなくなる。








別にって･･私からしたら全然よくない。









ちょっとでもあの子の事を気に掛けてたら、それだけで胸は痛くなる。









『この前一緒に帰ってたじゃん』









言いたい事が素直に言えないからか、ついつい余計な言葉が口から出てくる。







自分で関係をめちゃくちゃにしてしまっているのだ。









岸「見てたんだ･･」








なかなか目線をあわせてくれない彼に、なんとも言えない距離を感じる。









『見てたっていうか、見えた』









その苛立ちからか、わたしは言葉を冷たくした。









こんな事して得られるものは何もないのに･･








わたしはやっぱり馬鹿だ。









岸「･･そっか、そうだよな」









彼の頬は引きつっていてうまく笑えていなかった。









なんで、そんなぎこちなくなるのだろう。









何か思うことがあるならば、いっそのこと直接言ってもらった方が私としても気持ちが晴れるかもしれないのに･･









君はそんな和解は求めていないのかもしれない。









私なんかよりも君はずっと貪欲で自分勝手だ。









岸「俺、あの子の事は断ったよ」








『そう、なの？』








岸「･･うん」









それを言われて内心ホッとしている自分もいるのだけれど、









どうも心の奥底につっかえたものがなかなか取れない。









なんで岸くんは、それを自分から伝えてきたんだろう･･









言う必要なんて、なかったはずなのに。

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