子犬の廉くん ~Ren.Nagase~

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･･なんだろ、彼氏彼女のいざこざよりも面倒な気がしてならない。







『廉、出ておいで？』








ベッドの下を覗くけど･･君は小さな顔を伏せて完全に私から背けてる。








『ごめんって、もうその話しないから、ね？』







チラッとこっちを見たのに、またいつものようにプイッと無視されてしまった。








『ほら、ご飯できたよ？お腹すいてるんでしょ？』









相変わらず私の言葉にうんともすんとも反応してはくれないんだけど、








廉「ぐぅぅうううう〜っ」








今、完全になりましたよね、？







めちゃくちゃお腹空いてるじゃない。








いじけてないで早く出てくればいいのに。








『じゃぁ食べたくなったら出ておいでね』








わたしはいつもご飯を食べさせているソファの隣にドッグフードを置いた。







チラチラ気にはしてるんだけど、







なんか変にプライド高そうだし･･







あんまり気にかけない方がいいのかな？








静かにテレビを見ていると








廉「腹減った」







まだいじけてるのか、のそのそとその姿を現した。








『でしょ？ほら食べなっ？』








彼の目の前にはさっきからずっと求めていたドッグフード。







･･なのに君はそれに目もくれず








−−−−ボブっ







ソファの上に座っている私の隣に腰掛けた。









『れん？』







廉「腹減りすぎて痛い･･っ全部Aのせいやっっ」









･･とか言いながら、頭を私のお腹にピタリとくっつけて、結構な力でグリグリしてくる。








『うんうん、私が悪かった。ごめんね？』









いつも謝るのはわたし。







でも知ってるから大丈夫。








君は素直じゃないんだ。








だからいつも強気にものを言うけど、本当は気が弱くてとてもモロい。








私なんかより相当ビビりだと思うよ？








怒られるから本人には言わないけどね。









『あ、犬の特集してるよ！』









テレビに目を移せば、犬の特集が組まれ、ワンちゃんたちがでていた。









『ほらっ一緒に見よ！！』








隣に座る君にそう言えば








廉「しゃぁないな」








そんな言葉がとんでくるけど








君の手は、わたしの服をこっそり握っていた。

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