▽２ ページ2
･
獣医さんに子犬の様態を伺えば、とても険しい顔つきをしていた。
『あの･･助かるんでしょうか？』
医「あと少し遅れていたら助からなかったでしょうに、この子はとても運がいいようですね！」
そう言うと笑顔で答えてくれた。
ああ、よかった。本当によかった。
小さな体で一生懸命息をしながら、今はぐっすりと眠っているその子犬を見て思う。
『あの･･飼い主が見つからない場合って』
医「残念ですが助かった命もいずれは保険所行きです」
動物の命の儚さに、この時初めて衝撃を受けた。
『この子、私が引き取りますっ！！責任をもって大事に育てます！！』
就職して数年、もう自立するにはいい歳で、
この歳になると毎日平凡に生きてくだけで精一杯なほど。
ちょっとした癒しを求めていたのかもしれない。
看護師さんがドッグケースに入れてくれようとしたのだが、
不安なのかとても吠えて嫌がったため、
わたしは、子犬をタオルに優しくくるんで、カバンの中に入れてきた。
−−−−ガチャっ
『ただいまー』
返事のない部屋に何度言い続けてきたことか
そう、私は悲しき独身なのである。
「ゎんッ･･」
『今日からここが君の家だよ！』
たどたどしいその感じ、。
早く元気になって欲しいな･･
犬を飼う上でのある程度の常識は、看護師さんに教わってきた。
あとは本とか見てお勉強かな、。
とりあえず泥だらけの体も、ぬるま湯でなら洗ってもいいと許可をもらい
傷とかしみるだろうし、暴れないか心配だったけど
とりあえずその子を連れて風呂場へとやってきた。
ドッグ用のシャンプーなんてあるわけないし･･んー、ボディソープよりやっぱりシャンプーがいいのかな？
私がいつも使っているシャンプーを手に取り、それで丁寧に子犬の体を洗っていく。
もくもく泡はたくさんになって、
シャワーでそれを洗い流した時･･
『きれい』
綺麗になった君の毛並みはとても艶やかだった。
雑種かな？と思ってたんだけど、おそらく柴犬だろう。
豆柴、？とか言うんだっけ。
汚れのとれたその体は全身真っ黒で
目の上にはマロのような眉毛がのっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2976人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まい - れんくん子犬最高でした！！またまた素敵な作品ありがとうございます！！ (2023年1月4日 23時) (
レス) @page34 id: e5435e7bdd (このIDを非表示/違反報告)
まなみ - いい作品ありがとうございます！れんれんかわいすぎます( *´艸｀)あんな可愛い子がほしかった… (2019年12月22日 18時) (レス) id: 0d9bac845e (このIDを非表示/違反報告)
よーぐると - 完結おめでとうございます！スッゴくおもしかったです！一気に読んじゃいました(笑)muheさんの作品いつも読ませてもらってます！これからも頑張って下さい♪おーえんしてまーす(^^) (2019年1月12日 10時) (レス) id: 36d39b543c (このIDを非表示/違反報告)
彩藍(プロフ) - とにかく永瀬君が可愛い…!タイトルを見た瞬間に、即読みました…笑 こんなに可愛いくて、暖かいお話に出会えて幸せです(*´`)これからも、muheさんの作品を楽しみにしてます! (2018年10月12日 16時) (レス) id: 0a70532ba2 (このIDを非表示/違反報告)
夕(プロフ) - 今日初めて読んだんですが、すごくいいお話です！ 廉くんがかわいすぎてきゅんきゅんします！ あと、足大丈夫ですか、？？ (2018年7月31日 23時) (レス) id: 29f94e2bfb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：muhe
| 作成日時：2018年6月4日 19時
