番外編_18 ページ34
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それで良かったとも、悪かったとも言えない日々を過ごしていれば
この胸の奥にこびり付いた複雑な気持ちにもちょっとは免疫力を増す。
じゃぁ全部戻ったのかと言われるとそういう訳では無い。
『ただいまー』
紫耀くんと出掛けてきて夕方には帰宅、。
そんな恋人らしい日常もごく普通な事になっていたけど
廉「…おかえり」
リビングのソファに寝そべって、何をするでもなく私の帰りを待っていたであろう廉。
廉「お腹空いた…」
『今作るから待ってて！』
廉「おん、」
テレビから目を離さずそう返事をした廉だったけど、心無しかちょっと元気がないのは見てたら分かる。
でもそれに気付いたからって何か声を掛けて良いものかもちょっと戸惑いがあって
何も触れずに夕ご飯の準備を進めていると
廉「今日はどこ行ったん？」
それは廉からだった。
『映画見てきた』
廉「キスしたん？」
遠慮気味にこちらを向いてる廉だったけど、どうにも自分が苦しくなるから安易に見ることが出来なかった。
『…元に戻るんじゃなかったの？』
どちらともなく傷付くような言葉と知っていながらも、それを放ったのは強く変わりたかったから。
廉「…戻るよ、戻れるなら…早よ普通の兄弟に戻りたいよ、でもさ、嫉妬してる時点で戻れへんやんか」
『自分で決めたくせに…馬鹿だね』
ソファの脇に転がっていたクッションを雑に手に取った君は、
廉「…姉ちゃんに言われたないっ」
いじけたようにそれを言葉にするとボフッと顔を埋めた。
変に慰めることも出来ず、
ただ彼が苦しむのを目の前で見てることしか出来ないのはどこか自分が情けなくて…
『廉、大丈夫？』
そんな在り来りで当たり障りのないような言葉が今の精一杯。
廉は言葉にすることなくただ首を縦に降るだけだったけど
この大きな家の中で、2人しかいない静かな空間にはどうも聞き慣れない不規則な呼吸音。
廉の背中が微かに揺れて、それを追うように肩が震えて
鼻をすする音にそっとしてあげるのが私なりの優しさなのかな、と。
『廉っご飯出来たよ！食べよ？』
廉「…おんッ」
一生懸命に涙を拭う君に心を込めて作った手料理は、姉にできる唯一の事なのかもしれない。
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まい - きゅんきゅんが止まらないです(;_;)れんくんの想いに泣ける。。。これからも作品楽しみにしています！頑張ってください (2023年1月2日 0時) (
レス) @page36 id: e5435e7bdd (このIDを非表示/違反報告)
non - 本編からすべて一気読みさせて戴きました！めちゃくちゃ続きが気になってたまらなかったです笑みんなの切なさとドキドキとワクワクがとても共感できてとても面白かったです！ぜひ良ければですが、お互い円満に兄弟離れして廉くんに彼女ができる話とか読んでみたいです！ (2021年6月29日 4時) (レス) id: 0f3ccab3be (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - めちゃめちゃ面白かったけど、、、、廉くんが心の中で思うだけで終わって欲しかった (2020年6月8日 23時) (レス) id: 60bc8fd027 (このIDを非表示/違反報告)
j1gu1wa(プロフ) - こんにちは 番外編楽しみに見てます！廉くんが切ない〜ついつい幸せになって欲しくなっちゃいます廉くんに！ (2019年3月8日 19時) (レス) id: 48f45132bc (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - 番外編とても嬉しい！！ワクワクしました！！ (2019年2月20日 0時) (レス) id: c3269c959d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：muhe
| 作成日時：2018年5月22日 0時
