叶わないから ~Ren.Nagase~

番外編_12 ページ28

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誰でもいいから隣にいて欲しい。






そう思うのが私の本音で、






家に廉を残して、私は紫耀くんの家へと来てしまった。







何がしたいんだか･･自分でもよく分かっていない。







紫「ほんとに来てくれたんだっ」







でも、嬉しそうに頬を緩めた彼の表情を見ると悪い気はしない。







『お邪魔します』






紫「こっち来て」







いつも迎えいれるように私の手をとる紫耀くん。







それをすぐに受け入れてしまうから、相手も自分も馬鹿みたいに傷ついてしまうのだろうか。








紫「なんか今日もパッとしない顔だね」






『え？』






紫「どうしたの？」








そんなピンポイントに聞かれたら








『･･廉といろいろあって』







ちょっとだけそれをボヤいてしまう。







内容に触れることはないけど、喧嘩よりももっと面倒な拗らせを起こしてしまった事を彼に伝える。







紫「そっか」







『弟って近すぎる存在だから時々距離感掴めなくなるの、どうしたらいいんだろうね』








これは本音、、。







親にだって当てはまる事だと思うけど、







今私たちの現状を踏まえると、まぁほんとに距離が掴めない。








紫「俺は廉が羨ましいな」





『え？』








ボソリと呟いた紫耀くんに反応すれば








紫「だってこんなに自分の事で悩んでくれんの、嬉しいじゃん」







そんな客観的な声が耳に入った。







『そう、なのかな』






紫「二人とも贅沢だよ、･･ないものねだりって感じ」








なんでだろう、廉の事を全て伝えたわけじゃないのに、







紫「俺も、」








何かを見据えてるような気がして、







紫「自分の事で頭いっぱいにして悩んで欲しい」








そんな真っ直ぐにこちらを見られると、受け止めきれなくて目を逸らしてしまう。







紫「ねぇ、なんで逸らすの？」






『いや、っ、』








時々、彼の問いに答えられなくなる自分が本当に嫌いで嫌いで、、








紫「俺で悩んだりとかするわけないか」








そんな風に投げ捨てた言葉は、私の胸にきっちりと届いていて･･








『いや、悩んでるよ？』







そうは言ったけど、、

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