【HQ】婿に来てええですか -2-【宮治】 (ページ4)

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52.優勝運と不幸運ページ4

no side

その日は、幾度の試合をも勝ち抜いて、

最後の試合となる決勝戦が行われる日だった。

母「ハァッハァッもしもし？」

父「あ、やっと繋がったわッ」

母「今何セット？」

父「ファイナルセットやッ！！デュース続いてもうすぐ30いきそうやねんッギリギリで闘ってんで！！」

母「分かったッ急ぐ、！！」

_______キキキキキキイイイイイィィィッ、

__________ドォオオオンッ、！！！！

電話越しでも良く分かる、物騒な音。

車のブレーキ音と、

何かが衝突したであろう大きな音だった。

父は胸騒ぎが止まらなかっただろう。

父「おいっ？どないしたん？おいッ大丈夫か！！おいッ！！」

__________ピピーッ！！！

「「「「「「「うぉおおおおー！！！」」」」」」」

それと同時期にホイッスルがなり、

観客席は大いなる盛り上がりを見せた。

残酷な事に、

Aのサーブが点となり優勝が確定した瞬間だった。

『おとんっ！！』

Aはすぐさま

観客席に居た父に向かってガッツポーズをしたが、

父の様子は、

明らかに可笑しいもので、不審感を抱いたであろう。

それから間もなくして、

体育館の外で救急車を見掛ける。

周りがザワついていた。

「どないしたんやろ…」

「脱水症状とか接触事故ちゃう？」

「選手ちゃうみたいやでッ、」

とてつもない胸騒ぎに、

野次馬の道を掻き分けて、、

やっとで視界に入ったのは、

『…おかん、？』

血だらけのAの母だった。

ストレッチャーで救急車の中に運ばれている最中を

Aは目の当たりにしたのだった。

『待ってよッ…はッなに？待ってッ、！！』

病院へと向かう救急車を咄嗟に追い掛けてしまい、

周りから全力で止められたという。

表彰式どころでは、なかったであろう。