【HQ】婿に来てええですか -2-【宮治】 (ページ19)

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67.寂しがり屋ページ19

治side

さっきまであんな賑やかやったのに、

2人っきりなった途端、

お互いの声がめちゃくちゃ響いて聞こえる。

いつも会うんは朝やから、

夜に2人でおるんが新鮮すぎて慣れへん。

いつも通りを装いたくても

そう出来へん妙な緊張感…あかんわ、。

『私は別にええけど、
治くんなんも言わんと黙っとって良かったん？』

体育館の鍵を占めながら

チラッとこちらを伺ってくる。

治「言い返すんももう面倒いねん」

『侑くんと双子やってると大変やねっ笑』

同情しながらヘラッと笑って見せたAちゃん。

ちょっと羨ましそうやった。

治「Aちゃん一人っ子やもんな」

『おん、兄弟喧嘩とかちょっと憧れる』

俺からしたら

ひとりのが何でも自由に出来てええやん。

…なんて思ったけど、

治「憧れる程ええもんちゃうで」

『やって寂しいって思う事絶対ないやろ？』

そう言われた時、色々察してもうた。

賑やかなんが好きで、

人見知りせんと自分から話し掛けに行くんは

根明やねんから、もう知っとるけど

治「自分、かなりの寂しがり屋やろ」

『え？』

パッと見じゃ、芯あって

何でも一人で出来そうなタフさがある。

口喧嘩も一丁前やしな。

でも何となくそうかなって思わせるんは

昔会った時の脆さを知ってるからやろか。

『なんでバレとんの？私言ったっけ？笑』

オーバーにリアクションして

まぁそれは普通に素なんやろうけど、

普段どこまで我慢してんねやろ、この子…

『なんか恥ずかしいから皆には内緒な？』

寒そうに身震いしながら

人差し指を1本、口元に立てとるその姿は

なかなか可愛かった。