【HQ】婿に来てええですか -2-【宮治】 (ページ1)

今日:8 hit、昨日:74 hit、合計:88,495 hit

49.爆弾発言ページ1

侑side

「なぁなぁ！Aちゃん彼氏居らんの？」

『ん？居らんよ』

女子ってほんま恋バナ好きよな。

休憩中に何の話してんねん子奴らは。

ぬるいわ。

「好きな人は？」

『んー、気になる人はずっとおるけど』

銀「んぐっ、」

侑「は！？」

この場に居る男は俺と銀のみ。

サムと角名は別の子らとサーブ練しとる最中やった。

まぁ、今回はアイツら居らんくて正解やろな。

サムの為にと、めちゃくちゃ聞き耳立てて

情報収集に務めるが銀が隣で顔を歪めとる。

侑「なんやねん」

銀「お前、罪悪感とかないん？」

侑「ちょっと聞くだけやん！！」

女子ってのは話が盛り上がってくると、

噂好きやから恋沙汰にしたがる。

「もしかしてそれって治くん？」

ここまでは良かったんや。ここまでは。

例えその問いに答えられへんくても、

ちょっとはぐらかす位の可愛い反応してくれれば。

俺はサムにええ報告出来るやん、？

『違うで』

侑「は」

思わず声が出てもうて慌てて手で口を抑える。

「え、ちゃうの？」

「あ！角名くんとか？」

「めっちゃ仲ええもんね！」

『ううん、ちゃうよ。てか皆知らんと思う』

盗み聞きやめろ、なんて正義感ぶっとった銀も

いつの間にか俺と一緒に盗み聞きしとって、

二人で顔を見合せては静かに冷や汗をかく。

そんなサラッと、やめてくれ…

俺らが一番しんどいパターンやんッ。

「ねぇ、話変わんねんけど、」

『ん？』

「バレー辞めた理由聞いても平気？」

「そうやね、私も試合する前に聞きたかった」

ほんで女子ってすぐコロコロ話変わるな。

「正直そんだけ評されてたんなら、
今も大活躍してたんとちゃう？」

『んーどうやろうか、
おかんが死んだのを機にバレー辞めたんは事実やで。
でも皆、勘違いしてんねん。
私にとっちゃ前向きな決断やってんもんっ』

遠くを見ながら何か思い出してるみたいやったけど、

その表情はかなり柔らかくて色んな含みを感じた。

『まぁ、私がバレー辞める具体的な理由作ったんは、
その気になる人やねんけどなっ！』

へへっと照れ笑いして見せたAちゃんは

恋愛感情ない言うとったけど、

それ完全に恋してる女子が見せるもんやん……

あーこれやから早よ行動せえ言ったんや。

サムの入る隙、まだあるやろか……