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泣いて泣いて、これじゃいつになっても立ち直れない。
そう思った私は、お風呂に入ろうと横になっていた体を起こす。
涙でボヤけた視界に、なにか人影を感じた。
わたしはすぐに手で擦り、視界を確かにする。
そこには、1ヶ月ぶりの優太・・いや幽霊の君がいた。
これ、夢じゃないんだよね、?
会いたすぎて、幻覚見てるわけじゃないんだよね、?
何度も何度も瞬きを繰り返して、わたしはその存在を確かめていた。
すると君は喋りだした。
岸「お前、どんだけ泣いたら気が済むんだよ・・明日目腫れんぞ?」
腕を組んで呆れた感じの君は、ベッドにボフッと荒い感じで座り、
岸「とりあえず落ち着け?呼吸困難で死ぬぞーっ!!」
わたしの隣で胡座をかいて、除きながらそう言った。
私の一言で、優太は姿を消したのに、今はそれを気にしていられなかった。
だからそれを認めるのがなんか嫌で意地を張る。
『もうっ急に現れないでよっっ!』
岸「会いたいって言ったのはAだろ?」
『うるさいっ!』
岸「はいはいっ、ツンデレちゃん!」
幼いわたしに、君はいつだって大人な対応をしてくれる。
『ねぇ、優太は、気付いてたの?』
岸「なにを?」
ちゃんと君の口から、それを確かめたかった。
『優太が助けた男の子がッ、廉くんだったってこと』
岸「俺、ずっとあの子の成長見てきてるから」
『え』
やっぱり、優太はわたしよりもっと最初から、廉くんの存在を知ってたんだ。
『廉くん、すごくいい子だよ』
岸「だろ?」
だけど、それはとても複雑だ。
岸「廉くんさ、自分でこの学校選んで入学したじゃん?Aはその事知らないし・・最初は見守るだけだったんだけど」
優太は自分の頭をボリボリかいて照れくさそうにしていた。
岸「アイツ、Aに惚れやがって・・本当ありえねぇよな!!俺の人生奪っといて女まで奪うなんてっ!」
優太の言ってることって結構傍から見たら残酷なこと。
なのに君は、ケラケラ笑いながら嬉しそうにしていた。
『なんで?』
岸「ん?」
『なんでそんな普通にしてられんの?』
普通だったら悔やむよね?
廉くんのこと恨まないで・・なんで応援なんかできてんの、?
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美久(プロフ) - こんばんは、岸くんの作品探していたところ見つけて読ませていただきました!もう素敵なお話で大号泣です、、他の作品も読ませていただきます! (2022年9月22日 0時) (レス) id: b3cc7c76d7 (このIDを非表示/違反報告)
リーダー(仮) - めちゃくちゃ久しぶりに泣きました。 番外編も、読んでみたいです。 (2021年12月5日 0時) (レス) @page50 id: 6f32c3f285 (このIDを非表示/違反報告)
七奈(プロフ) - はじめまして。コメント失礼します。思わず涙が溢れました、、、苦しくて切なくて、だけどどこかあたたかさにも包まれていて、、、素敵なお話をありがとうございました!これからも作者さんのこと応援させてください。 (2021年9月14日 0時) (レス) id: f58e70d40b (このIDを非表示/違反報告)
ange - 感動で涙が溢れました。素敵なお話をありがとうございました。そしてこちらの作品に出会えたこと嬉しく思います。これからも作者様のお話を楽しみにしております。 (2021年8月23日 0時) (レス) id: 7b959df396 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 今まで見てきた占ツクの中で1番感動しました。もしよろしければ、岸くんと結ばれたお話や続編も見たいです。 (2021年5月28日 14時) (レス) id: 11c222fc20 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2018年5月21日 23時